大田区マンション管理士会

大手管理会社ブランドの壁

 先日のマンション無料相談会(5/29)にご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

 管理会社の委託費用の見直しを行うには、現在と同じ条件で他の管理会社へ見積もりを依頼して、比較するのが最もわかりやすい方法です。
 見積金額を比較して委託費用の減額ができそうならば、現在委託している管理会社との契約を解除して、新しい管理会社へ変更する場合の大きな理由になります。


 勘違いされている人も多いのですが、標準管理委託契約を使用している管理会社では、解約事由が無くても数か月(3か月が一般的)前に書面による申し出があれば、契約期間の縛り等に関係なく解約ができるようになっています。

 差額を管理費等の各戸負担金を値下げすることもできますが、その分を将来の大規模修繕工事のための資金に充てるケースが多いようですね。

モーリス・ドニ(イヴォンヌ・ルロール)1897年 オルセー美術館

 しかし、大手管理会社が竣工以来管理を続けてきた場合は、大手ブランドにこだわる人がいて、「大手だから安心なんです。」「管理会社が大手だったからここを買いました。」「聞いたことのないような管理会社へ我々の資産を預けることはできない。」等々意見が噴出し、結局管理会社の変更の議案は総会までたどり着けずに、張り切っていた理事会もしぼんでしまい、現管理会社がガス抜きのような若干の値引きをしてオシマイとなる場合も多いのです。

川瀬巴水「池上本門寺之塔」昭和29年(1954)

 以前にもここで書きましたが、財閥系や鉄道系の管理会社では、居住者がその系列会社に勤務していることが多くあります。
 組合員が管理運営に無関心な組合なら、その系列の組合員が理事長をやっていれば安泰ですね。
 管理会社を変更しようとする動きを察知した時は全力で妨害してきます。

 最近では、感染防止を理由にほとんどの票を委任状により、管理会社の管理委託費値上げが決議された組合がありました。

 数名の反対者が出席しただけでは、他の組合員へ伝わりませんので、理事会役員へ立候補するのが近道になると思います。
 大手ブランドにこだわれば、明らかに近隣相場より高い管理費を何十年も払い続け、系列の建設会社は競合する建設会社に辞退するように迫り、結局相場より高い修繕工事をされてしまうのです。
 その壁を超えるのは容易ではありませんが、組合員の努力次第です。

ジョヴァンニ・ボルディーニ 青の神

 そのような管理組合を、大田区マンション管理士会は問題解決へ導きます。

 管理適正化法を読むと管理委託契約の期間は1年間毎と解釈できます。しかし大手管理会社は2年(違法ではない)としていることが多いのです。但し、委託費値上げは契約途中でも関係なく行います。管理員や清掃員の人件費の高騰などを理由にしていますが、現場では時給等の値上げは全く見られませんね。

 挿絵は青い絵を貼りました。前々回ご紹介したドニの作品と、大田区内の風景が見られる巴水の版画、最後のボルディーニ(伊)は世紀末に数多くの女性の肖像画をかっこよくオシャレに描きました。米国で人気の画家です。
松尾好朗
 

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