どう防ぐ?マンション内の特殊詐欺

 「もしもし、こちら○○警察署の○○ですが、実はあなたの銀行口座が犯罪に使われている疑いがあります。」
 「えっ?」
 「至急あなたのキャッシュカードを交換しなければ、被害が広がってしまうんですよ。」
 「えー、どういうことですか?」
 「これからすぐに銀行協会の者がですね、あなたが今お使いのキャッシュカードを取りに伺いますので必ず全部渡してください。それから新しいキャッシュカードを作るのに手続きが必要ですので、今のカードの暗証番号をおっしゃってください。」
 「あ、はい、えっと番号は○○○○で、3つとも同じです。」
 「わかりました。エー繰り返します○○○○で間違いないですね。」
 「はい、そうです。すみません・・・。」
 「もうまもなく係りの者が到着しますので、このまま電話を切らずにお待ちください。」
 そんな会話があってから間髪入れず、ピンポーン・・「私、銀行協会からまいりました○○と申します。」

 私が関わっているマンション管理組合の高齢の女性が、こんな風な特殊詐欺に遭ってしまいました。
 翌日になって銀行からATMで不自然な出金があるという連絡があり、ようやく詐欺と気づきました。

Jon Carling

 警察署から3名、うち1人が防犯カメラのチェックをしたところ、携帯を手にエントランス付近をウロウロしてから入館しエレベーターで被害者の階へ、黒いパンツスーツの茶髪の若い女性と特定できました。これがいわゆる受け子でしょう。
 しかし、ATMで出金のあった時刻に防犯カメラに映っていたのは別の人物、これが出し子という役目ですね。

‘A plea for seed’

 被害者は静かに暮らすご婦人なので、警察、犯罪、銀行協会、至急、被害という言葉に緊張して、ちゃんと言われた通りにしなきゃいけないと思ってしまい相手のペースに乗せられてしまったのでしょう、そこは相手はプロです。

 少し考えれば電話を切らせないこと、ジャストタイミングでカードを受け取りにくるのはおかしいのですが、被害者に考える時間を与えず興奮状態のままにさせておくのが手口です。
 受け子、出し子を捕まえたところで、残念ですがその上の組織にたどり着く可能性は低いようです。
 鼠小僧は悪徳大名や豪商から奪った金を困窮者へばらまく義賊ですが、この特殊詐欺集団は弱者が大切にしている生活の拠り所、将来の希望までも奪い取るという悪逆非道の獣以下ですね。

 さて、マンションの管理組合で何ができるのか、対象が居住者となると自治会活動の範疇になるのですが、自己責任だとか余計なお世話と言われても、2人目の被害者は出さないようにしたいものです。

Jhon Carling

 まず固定電話は一旦留守番電話で受けて直接受けないこと、必要な場合だけ折り返し連絡することを徹底すると、冷静な判断が保てると思います。
 防犯カメラやオートロックは犯罪組織相手には役立たず、身近に被害がない中では掲示やチラシは捨てられているのが現実ですので、エレベーター内の壁などに繰り返し執拗なほどの注意喚起が必要と感じます。

Jon Carling ・Psychic friends

trend:ワールドカップが盛り上がっています。そんな中、何が気に食わないのか開催国への人権問題や環境問題、日本のサポーターが掃除することや日本の勝利そのものににいちいち絡んで否定する輩がいますね。
 他国の人権を問題を非難できる国などありません。

 自国の尺度で図ったところで複雑化するだけです。
 スポーツを斜からしか見られない、そんな輩をマスコミは取り上げないで、素直に楽しんだらという気持ちです。
  挿絵は、きっとどこかで見たと感じさせてくれるジョン・カーリングさんのイラストです。違うお題のイラストでも同じ作者とわかるような、個性の強い印象深い作品が描ける人を尊敬します。
 松尾好朗

管理費が不足したらどうする?

11月20日の無料相談会のお知らせ

昔のマンションの話です。
 「先月の共用電気代がいつもよりお高くてお金が足りなくなりました。そのため各戸300円を追加徴収します。」という御触書がエントランス付近に掲げられ、管理員が集金してまわるということを行っていました。管理員は帳面をもって管理費未納金も集金して回っていたという平和な時代です。
 建物・設備のどこかに不具合が起きても、今と比較したらゆっくりしたペースで復旧工事が行われ、クレームも言葉に棘は感じられませんでした。
 ともかく、共用の照明と給水ポンプを時々作動させ散水する水光熱や、管理員の給料ぐらいしかお金はかかりませんというイメージでしたね。
 街灯の少ない郊外のマンションでは、共用灯の明るさが防犯上感謝される立場でありました。敷地の一部に設置されていたコカ・コーラの自販機は夜間も明々と周囲を照らし、そこは地元の若者にとって都会でした。(コンビニがまだ普及していない時代)

ジャン=フランソワ・ミレー
秋、積みわら
ハンス・アンデルセン・ブレンデキルデ
『秋の小道』1902年

 現在のマンションでは、低層でもエレベーターは当たり前、アプリ連動の最新セキュリティーなどどのくらいの人が使っているのか経費だけが高くなり、24時間有人管理、複数のコンシェルジュは人件費が高くなるのは当然です。健全なマンションにまで、次々に制度化される法定の調査検査、認定制度、評価制度、登録表示制度などの費用は容赦なくお上に吸いあげられます。

 標準の管理規約では上記のように、やむを得ない事情などで金額が不足した場合は、管理費・修繕積立金に限らず、その都度区分所有者へ請求ができます。規約で定められている場合は総会決議は不要ですが、法改正、物価変動などの理由を報告する必要があります。

フィンセント・ファン・ゴッホ
『ラ・クローの収穫風景』1888年
フィリップ・ド・ラースロー
「舞い落ちる木の葉・中尉」

 年々経費が増えるばかりで繰越金が食いつぶされていることに疑問を持っている方も多いと思います。皆さんの管理費負担金を値上げしますと簡単に言えない組合も少なくないはずです。特にお金が絡めば管理会社の言いなりの理事長は解任されてしまいますね。
 各マンションの運営スタイルは様々ですが、これ本当に必要なの?という疑問をもって経費を見直す当たり前のマイナーチェンジも必要だと感じています。

 「秋」らしい挿絵にしました。 
 積みわらの絵のミレーは、晩鐘や落穂拾いのジャン・フランソワミレーです。ここによく登場するのは、ジョン・エヴァレット・ミレーです。
 ゴッホの収穫風景の作品は、彼が大好きな黄色をふんだんに使い、筆がよく走って明るい絵になっています。 

 インターネットのニュースを追って行くと韓国7件、ゆたぽん3件、法相の失言・ひろゆき各2件のあほらし、日本のマスコミは全く要らない情報が多すぎ。
松尾好朗