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「マンションに迫る2つの老い」の1つ目の老いはマンション建物・設備の老朽化のこと、2つ目はそこに居住する人の高齢化を指すことはご存じでしょう。
イメージは、築42年以上の旧耐震建物のファミリータイプで、一部補助金が受けられるのに耐震診断の実施には踏み切れず、大規模修繕工事の実施は費用面で叶わず部分補修にとどまり、広く普及している利便性のある機器や、防犯等のシステムの導入には関心なく、つまり時代に追いついてなく、すでに子供が独立して老夫婦や独居住まいが多いマンションを思い描いていただければと・・・。
TV等でよく取り上げられる「マンションの2つの老い、建て替え、空き家放置」など大変なことが起きてるという煽り報道はいつものことで、適度にウソを取り混ぜて大げさに放送することが多いですね。
最近、某TV局で紹介された例です。
棘を抜く少年(福岡展のみ)永遠の都 ローマ展には来ません。
① 総会に出席できなくても、委任状または議決権行使書のいずれかを提出(意思表示)すれば、出席の扱いになります。と、ここまでは正しいのですが、「いずれも提出しなかった欠席者の票は、現在の法律ではすべて反対に数えられてしまいます。」と放送されてしまいました。えっ法律で?ウソでしょ⁉ですよね。
反対という意思表示をしていない人の票を、勝手に「反対票」と扱うのは法的にアウトですね、参加しなかったらただの欠席です。
私は棄権でも保留でもない「意思表示しません。」という意思表示?もアリだと思っています。
こんなこともあってか、区分所有法の改正が行われる予定です。
② マンションの建替え(増床分の売却利益のない)には各戸2千万円ぐらい必要と、専門家(国交省審議委員)は金額までおっしゃってましたが、それってかなり昔の例か、増床利益があった平均値でしょう。
その規模にもよりますが、増床売却利益がなければ、今ならその倍以上、もっとかかりそうですよね。
上野の東京都美術館で12月10日まで開催しています。
例えば、今は80㎡に住んでますが建替え後は半分の40㎡でいいですよ、建替え期間中は実家で暮らしますよ、建替え費用の2割は修繕積立金で賄えますよ、という条件なら比較的安価で済むこともあります。(建替えに参加せずに売り渡し請求を受ける等、別の住まいを探す選択肢もあります。)
既存マンションの解体費用、新築マンションの設計費用、建設費用と期間中の仮住まいの費用、引っ越し費用(2回分)、さらに昨今の物価を考慮すると値下がりは望めないでしょう。土地以外の新築建物に関わるすべての費用が必要(個人負担)になるわけです。
今、私が関わるマンションの市街地再開発区域内の建て替え計画では、増床による利益を見込んでの大規模計画(タワマン)ですが、現状と同じ広さの部屋は期待できませんが、個別の将来計画に合わせて選択、調整ができます。しかし、マンション単独では(容積率の緩和があっても、計画道路によるセットバックのため)、費用面で建て替えはほぼ不可能なので、土地の売却益を建物の解体費用に充て解散となってしまします。
カピトリーノのヴィーナス 2世紀
③ 同局の朝の放送、マンションでインターホンが故障して通話ができないので管理会社へ連絡したところ「共用部分なので全戸交換になります。それには総会の決議が必要なので、修理はそれからになります。」と言われ、これでは生活できません。という視聴者からのメールがありました。
こういうこともあるので、マンションってデメリット(不便なこと)も多いよねー、といってゲストが話をまとめていました。
そんなアホなですよ。
インターホンは、(管理規約等に明記されていればそれに従いますが、)エントランスの親機と各戸の外機と配線までが共用部分扱いで、室内子機と室内配線は専有部分扱いとされるのが一般的です。
インターホン(共用部分)の所有者は、各区分所有者(持ち分割合)です。
インターホンは生活基盤、重要なインフラ(infrastructure)ですので、それが使用できない場合は、管理組合は直ちに修理復旧、原因調査を行わなければなりません。(通常は管理会社の受託範囲)
もし管理組合が修理復旧をしなければ、その区分所有者が直接、修理会社へ依頼し、かかった費用は管理組合へ請求(共用部分が原因の場合)し、損害が発生した場合は、管理組合は賠償責任を負う場合もあります。
但し、共用部分が関わるため区分所有者は、管理者(理事長)へ修繕工事(調査)を行うことの報告が必要です。
故障原因が専有部分側にある場合その調査・修理工事費用は、その所有者負担となります。
緊急対応(生活に支障)では、いちいち総会決議など必要ありません。例えば、エレベータが止まった、給水ポンプが故障で水もお湯も出ない等の場合と同じです。
管理会社によりますが、担当者が管理組合や組合員から、修繕工事や不動産売買等の依頼を受けると、その利益の何割かの報酬と定めていることがあります。
カピトリーノのビーナス
上野展のみです。
ろくに原因調査も何もせずに全戸交換が必要とか、金額が大きい工事を提案してくるような管理会社の場合、組合はカモにされているかもしれないので、管理会社のリプレイスをお薦めします。www
専門家(某大手マンション管理会社の研究員)の結論は、2つの老いについて、空き家の循環や地域コミュニケーションを継続することが有効等と、新鮮味はありませんが、立場上でしょうか余計なことは言わずに無難にまとめていました。
そして提案の一つとして、その会社関連の「住み替え(交換)システム」をサラっと紹介していました。
うまいステルス広告です。
写真は、都美術館で開催中の「永遠の都ローマ展」の一部です。
平日午前でしたので、マイペースで巡ることができ、異世界を堪能できました。
松尾 好朗
おまけ:あちこちのビーナス
時代が違ってもビーナス像のサイズが実物よりやや大きめという申し合わせたような不思議な共通点があります。
埼玉県で紀元前1世紀頃の土偶(小さいビーナス?女性像)が発見されています。
メノファントスのアフロディーテ
ミロのビーナス
(ローマ国立博物館)
ミロス島より
紀元前2世紀頃
(ローマ国立博物館)
Campo Iemini Venus
(大英博物館)
カピトリーノ美術館