6/24フロリダ州で1981年竣工(築40年)、12階建の集合住宅が崩壊して11名が死亡、151人が安否確認ができないと報道されています。(共同通信・時事通信・ロイター)
6/30現在、崩壊原因は調査中
行方不明者の一刻も早い救出と、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
注目するのは、崩落時に居住(在宅)していたかもしれない人と連絡が取れていないことです。その人数の報道は日々増減、変化しています。
日本では、管理会社は管理費等の請求先と名義(口座振替)、総会議案書等の送り先が分っていれば、法的事務を除き管理業務に大きな支障はきたしません。
使用細則等で定められている「居住者届」により家族の氏名、生年月日、連絡先等を届出された範囲で把握しているだけです。
しかし築年数を多く経たマンションでは、家族の増減、賃借人など入退の届けが提出されないことが多く、実際は誰が住んでいるのか隣の人でも知らないというマンションもあります。
リストがあるだけではだめで、家族の増減が届けられているのか、記載されている本人の電話番号や緊急連絡先は今も通じるのか、賃借人退去・入居が届けられているのか、最新で且つ正しいデータでなければ、緊急時には逆に現場に混乱を招くことになります。
総会時に居住者等データに変更がないか、変更がなくても回答をいただくのですが、回答がないのは毎年同じ人というのが管理組合あるあるです。
経験上、居住者リストの名前などの活字は、はっきりと大きな字で、フリガナ付きであること、これは緊急時はリストを手に、各戸訪問や電話連絡、夜間に周辺確認や停電の場合もありますので見やすいものに限ります。
リゾートマンションの場合、ホテルのような管理システムがなく出入り自由な場合は、現在誰が使用しているのか全く把握ができません。
昨今は個人情報保護を盾に、管理組合役員、管理員にすら居住者リストを公表しない場合があり、万一事件事故が起きても居住者の連絡先どころか名前も人数も現場では準備できないこともあります。
管理費等節減などにより、常駐管理員は清掃員(週3回程度)に置き変わり、劣化や交換を指摘されている建物・設備の補修工事は、根拠なく金額が高いというだけ(組合も反対者も素人)で賛成票が得られず、だらだら次期へ持ち越しさらに高額な工事になるマンションは多くあります。
上記フロリダの場合も、崩落原因が地盤沈下説の他に、補修費用が莫大な金額(各戸負担)になる議案がコンドミニアム所有者の賛同を得られず、このような結果になったとの情報が出ています。
この事故を教訓に、マンション居住者名簿(連絡先等)の刷新すること、特に築年数が35年を過ぎているようなマンションは建物・設備の再調査により修繕計画(適正な修繕積立金)を最新の情報に基づいた見直しが必要ですね。
昨今の総会出席者(高齢者が多い)の「工事にそんなにお金かけなくていい」という風潮が何故か共通して生まれていますが、この問題は別の機会にします。
松尾好朗