管理費が不足したらどうする?

11月20日の無料相談会のお知らせ

昔のマンションの話です。
 「先月の共用電気代がいつもよりお高くてお金が足りなくなりました。そのため各戸300円を追加徴収します。」という御触書がエントランス付近に掲げられ、管理員が集金してまわるということを行っていました。管理員は帳面をもって管理費未納金も集金して回っていたという平和な時代です。
 建物・設備のどこかに不具合が起きても、今と比較したらゆっくりしたペースで復旧工事が行われ、クレームも言葉に棘は感じられませんでした。
 ともかく、共用の照明と給水ポンプを時々作動させ散水する水光熱や、管理員の給料ぐらいしかお金はかかりませんというイメージでしたね。
 街灯の少ない郊外のマンションでは、共用灯の明るさが防犯上感謝される立場でありました。敷地の一部に設置されていたコカ・コーラの自販機は夜間も明々と周囲を照らし、そこは地元の若者にとって都会でした。(コンビニがまだ普及していない時代)

ジャン=フランソワ・ミレー
秋、積みわら
ハンス・アンデルセン・ブレンデキルデ
『秋の小道』1902年

 現在のマンションでは、低層でもエレベーターは当たり前、アプリ連動の最新セキュリティーなどどのくらいの人が使っているのか経費だけが高くなり、24時間有人管理、複数のコンシェルジュは人件費が高くなるのは当然です。健全なマンションにまで、次々に制度化される法定の調査検査、認定制度、評価制度、登録表示制度などの費用は容赦なくお上に吸いあげられます。

 標準の管理規約では上記のように、やむを得ない事情などで金額が不足した場合は、管理費・修繕積立金に限らず、その都度区分所有者へ請求ができます。規約で定められている場合は総会決議は不要ですが、法改正、物価変動などの理由を報告する必要があります。

フィンセント・ファン・ゴッホ
『ラ・クローの収穫風景』1888年
フィリップ・ド・ラースロー
「舞い落ちる木の葉・中尉」

 年々経費が増えるばかりで繰越金が食いつぶされていることに疑問を持っている方も多いと思います。皆さんの管理費負担金を値上げしますと簡単に言えない組合も少なくないはずです。特にお金が絡めば管理会社の言いなりの理事長は解任されてしまいますね。
 各マンションの運営スタイルは様々ですが、これ本当に必要なの?という疑問をもって経費を見直す当たり前のマイナーチェンジも必要だと感じています。

 「秋」らしい挿絵にしました。 
 積みわらの絵のミレーは、晩鐘や落穂拾いのジャン・フランソワミレーです。ここによく登場するのは、ジョン・エヴァレット・ミレーです。
 ゴッホの収穫風景の作品は、彼が大好きな黄色をふんだんに使い、筆がよく走って明るい絵になっています。 

 インターネットのニュースを追って行くと韓国7件、ゆたぽん3件、法相の失言・ひろゆき各2件のあほらし、日本のマスコミは全く要らない情報が多すぎ。
松尾好朗

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