風と落ち葉と吸い殻

 百人一首「・・・竜田の川の錦なりけり」、「・・・紅葉の錦 神のまにまに」とかですと雅な情景が浮かびますが、この季節多くのマンションの庭や通路は色とりどりの落葉の錦絵と変貌します。掃いても掃いても少しの風が吹けばリセットされてしまってますね。
 落ち葉は、敷地内のみならず隣接地や公道等にも舞い落ちるので、マンションの樹木からの落ち葉だけをより分けて清掃できるわけがなく、普通に落ちているゴミや吸い殻も一緒に塵取りに収めることになります。

 マンションの周りを掃き集めた落ち葉を詰めたゴミ袋から火災が発生しました。
 管理員が退館後、ごみ置き場で煙と異臭を居住者が発見、煙感知器(火災報知設備)の作動もない程度で消し止められましたが、落ち葉を入れたゴミ袋の中に、完全に消えてないタバコの吸い殻が混じっていたのが原因と思われます。

レスリー・セイヤー
この人は花瓶に生けた花の絵を何十枚も描いています。1枚で部屋が明るくなります。

 別のマンションでは、共用のゴミ箱に車の灰皿の吸い殻でしょうか、水もかけずに山盛りに入れてあるのを見かけたことがありますが、燃え易い紙などが一緒に入っていると危険です。吸い殻の独特の臭いが館内こもるのも迷惑ですね。
 管理会社が管理組合に報告した「お詫び・・管理員の不注意により・・・」だけで責任を取って辞めていったのはちょっと理不尽な気が・・。

ルノワールの花束

 無責任なのは火が付いたままのタバコをポイ捨てした喫煙者です。
 「マンション周囲の拾い掃き清掃」が委託契約書(清掃仕様書)への記載の有無にかかわらず、これでは管理員(清掃員)は退館の時間前には公道等、周辺の掃除をためらってしまいます。水をかけたけど、まさか燃えてないよね、と後もストレスが残ります。
 私なら吸い殻を見つけたら塵取りには入れませんね。ww

 大田区で一般火災の中で特定できている原因は、タバコがいまだにトップです。近隣へ人の命、財産に被害を及ぼしても「失火の責任に関する法律」によって加害者責任はありません。タバコのポイ捨てで火事になったら災難というしかありません。
 くれぐれも火災には気を付けてください。管理員が辞職するだけでは済まない火災報知器が作動するようなボヤがあれば管理会社は解約となるでしょう。消防車、救急車が出る火災が起きたらマンションの資産価値に影響する場合もあります。火災保険に加入していても原状復旧とはいかないものです。臭いも半年以上残ります。

 専用庭がある1階の植栽管理の責任区分について書くつもりでしたが、前置きだけで話がそれてしまったので次回に回します。

 レスリー・セイヤー、ルノワール、ユトリロの「花」を挿絵に使いました。本文とは関係ありません。
松尾好朗

ユトリロ「花瓶の花」



 

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