山王公園の今

 大田区の山王公園の写真を見てください。
 近隣住民から何か苦情があるたびに警告の看板が一枚、また一枚と増え続けたのでしょうか。ww 

 この辺りが馬込文士村と呼ばれていた頃、池上通りから暗闇坂を上った高台に望翠楼というとってもおしゃれな洋館ホテルがあり、そこは文士や芸術家達の交流拠点、毎日のたまり場になっていました。
 そこを拡張するように道向かいに大森ホテルが建てられましたが、翌年大正12年の関東大震災(1923年)後に閉鎖、その大森ホテル跡地がこの山王公園として残りました。メタセコイアやヒマラヤ杉、ケヤキの巨木が目立ちます。山王保育園が隣接しています。

 公園内に看板を掲げる苦労も理解できますが、近隣住民の苦情に対して「注意しておきました。」というだけのお役所仕事でしょうか、虚しさが感じられます。
 看板を乱立させても効果は落ちるだけ、貼りっぱなしで文字が薄くなっても放置、管理されていないマンションの掲示板も似たようなもんですね。ww

これは山王公園ではなくネットの拾い物です。
私が危険人物だからってこと?

 これらの看板が美観を損ねていると、近隣住民から苦情が出ないことの方が不思議です。

 近くの弁天公園に同じような看板があります。そこには球技禁止、犬の散歩禁止、草花採取・生き物捕獲禁止の3つのピクトグラムが増えます。生類憐みの令か?

 大田区地域基盤整備第一課・公園管理の人はこんなことばっかりやってられないんだけどという気持ちでしょう。
 この写真のピクトグラム1基で十分です。
 最低限のマナー順守は必要ですが、時間の制限などのルール(決まり、規則)を勝手に掲示しても意味はなく、お気持ち・お願い・希望でしかありません。
 もちろん罰則なんてありません。


 息子がまだ低学年だった昔、山王公園でよくキャッチボールをしていました。
 夏休み、朝のラジオ体操の後、大勢の老人たちがゲートボールのコートのライン(ロープ)を公園いっぱいに張り、夏休みの公園を独占していました。
 仕方なく隅っこでキャッチボールを始めたら、「ここはボール禁止ですッ!」とオババ様に叫ばれ、あんたらのやってるそれボールやないんか?と突っ込みたくなりましたが、正義面でこちらを見ている大勢のご老人たちは勝ち誇った様子でしたので、退散した悔しい記憶があります。
 ずいぶん前になりますので、もしご存命でなければ、あの世では嫌われていないことをお祈りいたします。ww

 町中にある公園は、散歩やジョギングの休憩場所、通り抜けるだけでも気分転換できるようなパーンと開けた空間であって欲しいものです。そのためこんな目にウルサイ警告看板はやめて欲しいですね。

 以前紹介した文士村の話は←ここにリンクしました。
 山王の洋館ホテルに集う文化人達は、パリのカフェに集う文化人達の雰囲気に少し似ています。
 パリのモンマルトルの丘やモンパルナス、その後のサン・ジェルマンのカフェに集い議論に終始する作家、哲学者、芸術家たち(サルトル、カミュ、ボーヴォワール、ヘミングウェイ、ピカソ他)がパリの知的中心地になったように、山王の地だって新しい芸術文化の中心地だったのですね。ww
 松尾好朗


前回の簡単クイズの答えー1パン、2はる、3除湿器 でした。



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