マンション管理員の歩き方

 この季節になると若い頃のアルバイトを思い出します。
 12/25の閉店直後、ショッピングセンターでクリスマスのディスプレーを急いで撤去して、正月用の飾り付けを26日の10時開店前に終わらせる仕事を寒い中、大汗かいて作業していました。
 完成が近づき形が見えてきた段階で、この台の角度を変えたら商品がもっと見やすいのでは?照明の向きを変えたら遠くからも目立つのでは?等とアイデアを出し合うというエネルギーがあり、今と違って現場を任される監督の裁量幅が広く、クライアントの度量も大きかったと感じます。

 現在は両者ともにサラリーマン化して余計なことはやらない印象ですね。採算よりもよいものというクリエーターの精神は求められない時代なのかもしれません。

 本年も様々なところでのご協力をいただきありがとうございました。相談会に来られた皆様も、その後の進め方やわからないことがありましたら遠慮なくご連絡下さい。

リチャード・サボイ 1959~
モントリオールの冬の風景

 さて、街では様々なマンションの管理員さんを見かけます。
 見た目も健康で明るく頼りになる存在であって欲しいですね、反対に不潔で陰気、無愛想では困ります。www
 また、以前にも書きましたが、ダサい管理員のユニフォームが多いので、当管理会社はセンスがありませんと社会へ向けて発信しているようで残念です。
 管理員の仕事範囲は契約内容によって違ってきますが、理想を言うと、気持ちの良い挨拶で居住者や訪問者は元気をもらい、怪しい人間の侵入を許さず防犯に努め、マンションの内外環境をいつも整え清潔を保ち、時に居住者からの相談を受け、子供や高齢者を見守り、建物や設備機器等の異変を素早く察知して適正な処理を行い安全を保ち、英会話の対応ができ、存在しているだけでも安心感を与えられる存在であって欲しいというところですが、実際はこんな人はめったにいませんよね。ww

リチャード・サボイ

 管理員の雇用主は管理会社という場合が多いのですが、マンション担当が頻繁に現場に来なくても、現場での問題点への的確な対応と、その正確なレポートを残し、管理組合と管理会社の意思疎通の補助ができる人物ならいうことなしです。

 定年退職してから管理員として職に就くというケースが多いため、高齢になると、生気も精気も失せてくるのは、ある程度許容しなくてはなりませんが、マンション館内や敷地周辺をトボトボしおれた姿勢で歩いたり、辛そうに階段の上り下りをしていたりすると、居住者の方が気を遣ってしまうこともあるわけですね。
 管理会社によっては、管理員へ福祉・介護関係の資格取得を奨励していることがありますが、当の管理員が要介護では格好がつきません。555

 タイトルの「マンション管理員の歩き方」とは文字通り管理員の動作のことです。
 今の時代、ジジババを安い賃金で使ってやろうという考えが少しでも残っているなら、良い人材は絶対に見つかりませんね、管理組合は管理会社が提案する管理員の7~8時間勤務という設定を受け入れていませんか?
 高齢者に日常清掃を含めた長時間労働は無理です。特に小中規模のマンションでは、管理会社が適正な拘束時間の設定と地域の適正価格を提示して、組合員の理解を得ることが必要でしょう。 

 管理員に関わる経費は管理会社の売り上げの大きな部分ですが、昔のようにピンハネ商売は難しい時代であることは理解できているはずです。

 マンションへ来訪の際、窓口で管理員から感じのよい対応、玄関や廊下、ゴミ置場や駐輪場、共用部分の行き届いた清掃、整頓、整備されている印象は資産価値に直結します。

リチャード・サボイ

 本日ご紹介する画家は、珍しくカナダ生まれの画家リチャード・サボイです。モントリオールの冬景色を多く描いています。
 北海道の緯度が高い北部も同じで、冬の夜は長く終日0℃を超えない日が続きます。 
 吹雪いてなければこの絵画のように、人工の灯が長い夜の街を暖かく煌びやかに変えてくれます。
 英仏からの移民が土地を侵略し、先住民を駆逐したこの国の歴史はまだ浅く、この画家はその中の暮らしに美しさを見出して、伝統的な技法により今の時代を素直に表現しています。

Latest
 外国籍である明らかな犯罪者を、何故か不起訴にしたというニュースを毎日のように聞かされ、それらを不安に感じている人が多いのではないでしょうか。 
 すでに外国人や帰化人が政府中枢、司法、教育、メディア関係に入り込み、着々と国民の意識を掌握しようとする活動を行っているように見えます。
 メディアは何度も意識操作、印象操作を繰り返し、教育現場では幼いときから自虐史観を植え付け洗脳し、国民の抵抗意識を破壊させているように思えます。
 放置していると、日本人を拉致した国の帰化人に、日本人が裁かれるという狂った国になるかもしれません。怖っ!

 以前、マンションが外国人に事実上乗っ取られ、管理が制御不能のため資産価値がなくなり売却もできない不良物件になったことを書きましたが、早めに対策しておかないと区市町村単位では乗っ取りを許し破壊するのは簡単だと思います。
松尾好朗


どうする管理組合の役員不足

 先日(11/26)当会主催の、マンション無料相談会が開催されました。大田区といっても広く、遠方からも来られ感謝申し上げます。
 ここ最近の相談の傾向というか以前からもありましたが、組合役員を引き受ける人が不足していますという相談です。定数を減らしても理事会が成立しないことがあり、組合員からの意見や要望、提案を受けても結果的に無視(来期持ち越し)され、輪番で廻ってきた次の理事長はろくな引継ぎもできずに「いや、聞いてませんよ」という繰り返しという具合で、提案や要望の結果を待っていた組合員はストレスが溜まるでしょうね。

 ご相談者のマンション管理会社の担当者(フロント)が作成した議事録(書記担当役員に代わって管理会社が作成)ですが、大手管理会社であっても上司は文書チェックしないのでしょうか、大変お粗末なことも目立ちます。

フリッツ・タウロウ(1847~1906年)

 たとえば、総会の議案が「半数以上の賛成で決議した。」と記載されていました。半数以上とは半数を含みそれよりも上、これでは半数(50%)ちょうどでも決議されることになってしまいますよ、民主主義の大原則である「多数決」に反してしまいますね。www
 実際には、委任状が集まり過半数で決議がされていると思いますが、記録に残りますので正確に記載(賛否が分かれた場合はその数も)しておかないと、外部からはそれなりの管理組合だと評価されてしまいます。


 「総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。」ですので、半数というのは、「総会の会議は、議決権総数の半数以上の有する組合員が出席しなければならない。」と混同しているのかもしれません。
 このような管理会社や理事会では、大きなお金が動く大規模修繕のプロジェクトは、とてもとても健全かつ適正に成立するとは思えませんね。

フリッツ・タウロウ(1847~1906年)ノルウェー人です。

 わりにくい議案書と相談者の話からは、理事長の独走というよりも、無関心な理事や管理会社がコントロールできず(というかよく分かってないように見える。)に計画より工事費用が膨れ上がったようです。
 

 そのため今後の修繕計画は大幅に変更、修繕積立金の各戸負担金を増額せざるを得ません。ムダな出費と思える工事の実施がすでに決議されていても、組合活動に関心がない区分所有者は、自分たちが被害者だということすら気が付けずに残念です。

 他では、少数意見を大事にしすぎるのは、マンションの総会だけの傾向ではありませんが、そもそも総会で意見が割れて紛糾することが予想されるような議案は、理事会運営が全くできてないか、管理会社がよほどポンコツなのでしょう。委任状などを含め過半数の賛成票があっても、一部の意見により決議されずに流れる(再検討)ことがあっては成り立ちません。
 結果的に対立を生むような運営は、目に見えない資産価値の下落状態ですので、組合員のためにはなりません。

 管理会社を変更するにも他の組合員から賛同者を募ったり、管理会社抜きの総会を開催する必要等、個人では体力的にあきらめる人が多いのが現実です。
 そんな時こそマンション管理士に相談していただきたいと思います。

ドルトリヒトの桟橋(フリッツ・タウロウ1905)、日本ではこの頃、日露戦争で勝利、しかしポーツマス条約で煮え湯を飲まされることになります。

「ドルトリヒトの桟橋」の拡大図です。
水の表現が抜群です。筆で微妙な色を重ねて書き込んでいます。

 私は顧問(アドバイザー)として理事会等に参加しています。第三者管理としてマンション管理士が組合員以外の役員として選任する方法(管理規約の変更が必要です。)もあります。
 マンションに関わる法律、紛争と裁判例、土地・建築設備、会計、保険や契約関連の知識など、今後はこれらの専門家である第三者が、顧問、役員、管理者として参加せざるを得なくなる時代になると思います。

 冬の作品を2点紹介します。
 ヨハン・フリッツ・タウロウ(Frits Thaulow)は、数多くの風景画を残したノルウェーの人です。ポスト印象派に分類されます。極貧の生涯をおくった印象派の多くの画家たちとは違って、裕福な生まれで欧州と北アフリカを旅して活動、訪れた国からも賞や勲章を受けています。
 この人、水面を描くのがうまい画家としても有名です。

ノルウェーの画家の筆頭にはムンク(1863-1944)がいますね。実はタウロウ家と親戚筋にあたります。
 ムンクの父親は医者ですが、熱狂的なキリスト教信者で子供を顧みることはありませんでした。ムンクは宗教被害2世だったのですね。ww
 ムンクはフリッツ・タウロウの弟の妻(ミリーさん)に横恋慕(これがムンク22歳の初恋)してしまうのも彼らしいところです。

 その恋が実るわけなく、幼少期からの家族の死別と重なり孤独、不安、絶望、鬱、この失恋があっての「叫び」だった??のかもしれません。

松尾好朗