よくわかる共用部分と専有部分

 ちょっと昔の話、「先生、共用部分と専有部分はどうやって見分けるのですか?」「それはな、部屋を逆さまにして、振って見て落ちてこなかったところが共用部分だ。」、「じゃあ、引越しするときに持ってったらダメなものが共用部分ですね?」などと、いい加減なウソが通用していました。www
 ワンルームマンションの専有部分を囲む床・壁・梁・天井の6面のコンクリートのうち右手前の壁と梁と天井を省いた概念ポンチ絵があります。

 スケルトンのフルリフォームのように、内部仕上げ、給排水空調設備、間仕切り壁等をすべて取り除いた状態を想像してください。
 区分所有法では、「共用部分とは専有部分以外の建物の部分をいう。」とあります。

 この部屋は、6面のコンクリート(共用部分)に囲まれた中の空間が専有部分なので、専有部分は床面積基準ですが空間ということですね。
 専有部分は、単独では成り立たず、共用部分などに囲まれた空間でないと登記もできません。専有部分の登記面積が壁芯で測るのではなく内法面積であることが納得できますでしょう。
 なお、マンション販売時は面積を壁芯(建築面積)で計算するのは、建物がまだ竣工前ということもありますが、壁芯計算の方が面積の数字が大きくなるのが理由の一つです。例えば、内法68.5㎡の部屋は壁芯で72㎡として販売できるのは有利です。

めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 
雲がくれにし 夜半(よは)の月かな

 専有部分の床は下の階の天井、天井は上の階の床、壁は隣室の壁または外壁ですので、すべて共用部分です。では玄関ドアや窓サッシはなぜ共用部分なのか、6面全部コンクリートで囲ってしまうと中に入れませんね。

 そのため壁であったところを扉や窓に変えただけで本来は壁です。壁を別なもの(壁と同様に外部と遮断ができるもの)に置き換えただけなので共用部分ということになります。
 開口部(採光窓含む)本体が共用部分でも、ガラス、サッシ付属のクレセント錠やレールのコマ、網戸(本体と網)、吸排気口、玄関ドアチェーンやドアクローザー、ドアスコープ、扉蝶番等付属金物を共用部分なのか専有部分で扱うのか、管理規約や使用細則等には、そのマンションの特有なものも含め、しっかり明記しておくべきです。

 必要な場合は図示すればよく、文字で説明するより分かりやすくなると思います。
 もしトラブルになっても「ほらほら、ここにちゃんと書いてあるでしょ」と説明ができますね。
 裁判例では、規約等に明記があれば、多くの場合その規約等に沿った結果になります。

紫式部(908年頃~1019年頃)

 最近では「専有部分工事細則」等を施工業者が確認して工事申請書を提出、案内掲示するのが周知されていますので、ある日突然工事が始まるというのは殆どなくなりました。

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 中共の統計データは信用度が低いのですが、住宅政策の失敗でマンションだけでもストックが約34億戸を超える(未完成や放置物件含む)と言われています。

人口が14億人弱、全国民一人が一部屋でなく一戸に住んでも、まだ20億戸の空きがあります。どうするんでしょうね。

 ただし黒孩子(一人っ子政策の中、二人目以降に産まれた戸籍のない教育も予防注射も受けてない子供)が北京と沿岸部だけで1300万人以上(内陸部等は未調査)存在しているので、本当の人口は分かりません。
 マンション投資は自己責任ですが、自分が住むためローンを組んだのに、途中で工事がストップした未完成物件を購入した人は悲惨です。
 こんな状況があって、中国人の富裕層だけでなく中間層までが、海外の安全資産を漁っています。

 その影響を大きく受けているのが日本の都心部のマンション価格高騰です。(東京は新築マンション平均価格が1.3億円)
 中共の土地は国有ですので、土地利用権の売買になりますが、外国人は購入できません。
 しかし、中国人は日本の土地・建物等を自由に買う(所有権)ことができます。

渡辺省亭(紫式部図)の部分

 国立公園に隣接した土地でも、無人島も京都の町家も老舗旅館もです。法に触れなければ何をしても自由です。
 買ったばかりのタワーマンションの最上階を、ヘリや飛行機をチャーターして空から眺めるという、中華系不動産会社が企画した中国人相手の品のないツアーをやっています。こんな光景、以前どこかで見たような・・・。

紫式部 観月図 渡辺省亭

 その昔、日本人が似たような経験をしていますが、その後に何が起きるか私たちは良く知っていますね。
 中国系不動産業者に情報提供や優先取引をしている多くの議員や首長が存在していることが、なんとも情けない国です。

 文中の絵は紫式部関連ですが、平安時代に本人を描いたものではないので想像の絵画ですね。

 渡辺省亭(1852-1918)は日本画家ですが仏で修業しています。その体験からなのか、日本より仏で人気があると言われています。
 完成度が高く独特の世界観を感じます。

 最後に、2024年(平成6年)5月19日の午後、大田区マンション管理士会主催の無料相談会を予定しています。
 詳細は後日このホームページと、5月1日の大田区報に案内が掲載されます。是非ご利用下さい。
松尾好朗

 


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