ルーフバルコニーの柵の外周管理(その2)

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 以前にルーフバルコニーの柵の外周管理2020.2.3という題で投稿しました。私の駄作ブログの中で閲覧数が多い記事の一つです。(その2)として他の実例を紹介します。
 「標準管理委託契約書」をそのまま採用している管理会社は、ルーフバルコニー外周の具体的な管理仕様と費用負担については明記せずに契約していると思います。
 通常のバルコニー(ベランダ)では、その専有部分に居住する者(占有者)が日常の管理を行い専用使用することになります。
 排水管は上下階とつながっていますので、落ち葉やゴミで詰まらないようにバルコニー内の排水口を清掃をするとか、鳩の営巣や避難ハッチ下に障害物を置かない等、放置すると他へ迷惑をかけてしまいますからね。
 ルーフバルコニーの場合は、柵の外周に排水溝、排出口、パラペット(壁面の立ち上げ部分)等があります。外周には安全柵等はなく危険なため、一般の人は立ち入れません。

 管理組合を通して居住者からルーフバルコニー外周の清掃依頼があり、そこではプランターから流れ出たと思われる土砂と枯れ葉、ゴミ等が混じりあって排水口がふさがれ、写真のように雑草というより低木がしっかり根を張って成長していました。
 種子が風か鳥のフンで運ばれたのか、放棄した鉢植えの生き残りなのか分かりません。

 おそらく、この排水管の下のエルボ(縦の管から横の管へのつなぎ)には砂が硬く詰まり、排水不良を起こしていると想像できます。また、この草木の根っこまで力で引き抜くと防水層を破いてしまいそうです。
 管理委託契約書には、管理事務の対象として「専有部に属さない建物の部分」と記載されています。つまり専有部分以外のすべてが、管理対象になります。そのためルーフバルコニーの柵の内外いずれも管理の対象となり、内側は専用使用、外側は他の共用部分と同様に通常の管理を実施するところの委託契約書の範囲と考えられます。
 トラブルを避けるためには、委託契約書の仕様には、外周管理の仕様と費用負担の有無について明記する必要があります。
 定期的に管理を実施していれば、防水被膜と排水の状況の確認や部分補修ができるので、下階へ突然の漏水事故等は防ぐこともできますね。

ピエール・ド・ブレ《ブルターニュの女性》 1940年 カンペール美術館

 ある管理会社では年に1度、ルーフバルコニーの点検清掃の実施日時を通知・掲示して、委託契約とは別に受注しています。その場所が居室の前を横切ったり、専有部分を通過する場合もあります。
 実施費用は作業内容や面積によりますが、危険な高所作業になる場合は2名以上の、相互監視をして安全装備での作業が正しいでしょう。

 契約書等に「費用は別途」と明記されていない場合は費用請求ができないため、管理会社によっては、高齢の管理員一人で柵外の清掃や雑草取り作業の高所危険作業を指示している例を見かけます。
 管理員が危険場所の作業中にマンション裏の隙間などに落下して数日経過…最近姿が見えませんね、ということになりかねません。

 死人に口なしで、「管理員が勝手にやったことなので、管理会社は一切の責任は負いません。」なーんてことで済まされるかもしれません。
 私は屋上などの高いところが好きなア方なのですが、屋上炎天下のしゃがみ作業で立ち上がったらクラットットとなった経験があります。その高い屋上から他のマンションを覗うと、全く放置されていることが多いですね。

ポール・セリュジエ《さようなら、ゴーギャン》  1906年 カンペール美術館

 費用は別途としなければ、請求ができないどころか外注したら赤字になってしまうので、管理会社は積極的に管理組合には提案しません。
 費用が出ないからといって管理員へ押し付けるのはやめましょうね。


 5/3 新宿のSONPO美術館に行ってきました。
 フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホの「ひまわり」が常設されています。  
 珍しく「館内撮影可」でした。特別展は仏ブルターニュ地方で活動していた画家たちの作品です。ゴーギャンはタヒチに渡る前、この地で作品を残しています。
 挿絵は同地のカンペール美術館の3点です。

7つの「ひまわり」の記事はこちらへ。

 同行者が仏文学、仏語が堪能な方でしたので、絵画の中に見られる文字の解釈や、時代と地方の風俗・文化・歴史とのリレーション等の解説をいただき2倍楽しめました。
 絵画の専門家でなくても、他分野で極めたものがある人は、どこかで繋がる共通点が多く、鑑賞の幅が広いのだと思います。
 いまさらながら、もっともっと色々な勉強をしておくべきだったと後悔しています。

 館内はやや混み程度でしたが、真ん前のベンチに座って、幅76㎝×縦1mの大きな「ひまわり」を堪能できました。
 誰でもうまく写真が撮れる時代になりました。しかし私が撮った「ひまわり」は今や死語の「ピンボケ」で残念。

 2つの謎
 越中生まれの安田善次郎は、丁稚奉公を経て幕府御用の両替商で富を築きます。1887年には保険会社を設立、営業開始は翌年の1888年(明治21年)でした。
 設立からちょうど100年後の1987年(昭和62年)、当時の社名「安田火災海上保険」が英クリスティーズのオークションで、この「ひまわり」を約53億円で落札しました。

リュシアン・シモン《じゃがいもの収穫》     1907年 カンペール美術館

 バブル景気真っ盛りの頃、購入したのは設立100周年の記念事業だったのか、偶然100年なのか謎です。
 もう一つ、善次郎が保険会社の営業を開始した1888年、まったく同じ年にゴッホはこの「ひまわり」の絵を描き始めました。135年前のことです。これもまた、元祖「損保ジャパン」と同じ年の「ひまわり」にこだわったのか、全くの偶然なのか謎が残ります。
 これらの2つの謎をSONPO美術館に訊ねてみたいものです。
 松尾 好朗
 
 

無料相談会のお知らせ 2023.5.28

下記の要領で分譲マンションの管理等に関する無料相談会を開催いたします。
New ⇒ おおた区報 5月1日号「区民のひろば」に掲載されました。
           記  
日 時:2023年(令和5年)5月28日(日曜日)
    午後2時~4時の間
場 所:エセナ大田(大田区大森北4-16-4)
地図
テーマ:マンション管理全般のご相談

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     090-1818-1700(水野)もしくは
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