マンション管理計画認定制度

1.11/26(日)14:00~無料相談会を開催します。
2.近々、マンション管理会社募集の案内をいたします。10/2メニューの「公募・入札情報」で概要が見られます。

 大田区まちづくり推進部建築調整課から、マンション管理組合理事長宛てにマンション実態調査のため、アンケート調査票が届いたと思います。
 これは、この10月から申請受付が始まるマンション管理計画認定制度のため、前座としてアンケートの最後に管理計画認定制度について意見を求める欄が設けられています。

 私はあるマンション管理組合のこのアンケート調査に回答しましたが、管理規約を確認して、パンフレットや竣工図面の数字を照合しながら進めて行くと、これが2時間以上かかってしまいました。

ジュール・シェレ

1836年-1932年
(フランス)

 この機会にできるだけ多くのことをアンケート調査に盛り込みたいのは理解できますが、区役所の同じフロアで建築関係の部門には(敷地や延べ面積、階数、戸数、竣工年等)の必要なデータがすでに揃っているわけですので、そっちで入れてから送ってよ感があります。
 輪番でたまたま指名された理事長にとって、すべて精度高く回答するのは辛いのではないかと感じました。途中であきらめ、提出できなかったとなるのは残念です。

 マンション管理計画認定制度において、大田区は独自に基準を上乗せして発表しています。以下にその特徴的なところを5つ抜き出しました。

1.運営:居住者の要支援者名簿を備えていること

2.経理:修繕積立金の3か月以上の滞納が1割以内であること
3.計画修繕:(前略)決議された長期修繕計画が、国が策定した様式に準拠していること
4.危機管理体制:災害対策基本法に規定する自主防災組織の結成または訓練(中略)備蓄物資、要援護者の把握を行っていること
5.コミュニティ形成:地域の町会・自治会へ加入していること

 以前にも書きましたが、マンションを勝手な基準で格付けする制度が続々と生まれていますね。


 マンション管理士が、その判断を担うこともあります。
 派遣され初めて訪問するマンションで、短時間に正確かつ客観性をもった判断で、他人様の財産に点数をつけられるほどマンション管理士は偉くないと思いますよ。

 これまでの各認定等の格付制度は、ほぼ失敗でした。
 今回の管理計画認定制度が形骸化してしまわないよう願います。
 要介護や滞納金の状況は日々変化しているものであり、修繕計画も毎年変化するものです。そして、長期修繕計画は修繕履歴を基に作成が可能だと考えますが、履歴は要件にありません。

ジュール・シェレ 1858年
「地獄のオルフェ」のポスター

 町会費をまとめて払っているだけで「町会へ加入しています。だから、このマンションはコミュニティー形成ができています。」と判断されては意味がありませんね。
 表面を繕っているだけに見えてしまう調査、上から目線の「お上が認定してやる」の制度は成功しません。
 責任押し付け、補助金なしの強制ボランティアという人もいます。

 おひとり様に需要のあるワンルームマンションは置いてけぼり、居住者や地域コミュニティーを中継する役目を担うマンション管理員の存在も無視されています。

 文章の内容と挿絵とのかかわりはありません。
 インターネットもラジオもテレビもない時代、ジュール・シェレ(仏)の描くポスターは、垢ぬけていてエレガントでカラフルで、先進的で活動的な女性を描き、憧れを集約したような存在だったのでしょう。
 視覚伝達の方法として当時、最上の手段でした。
 画家の性格は絵に出てしまうので、同時代の商業美術の世界では、ロートレック、ミュシャ、スタンランには思想・哲学を感じてしまい、それが少しの堅苦しさと緊張感が陰となっていますが、ジュール・シュレの絵にはアートとの割り切り感というか、陽気さが勝っているように思えます。
 最後に貼り付けたのは、ジャック・オッフェンバックのオペレッタ「地獄のオルフェ」のポスターです。シュレが一流であることを認められた作品です。
 このオペレッタに出てくる曲の一つは、運動会や文明堂のCMでおなじみの「天国と地獄 ♪」です。
 この時代、日本では「安政の大獄」「桜田門外の変」を経て、江戸幕府が崩壊へ突き進んでいた頃です。
 松尾 好朗