2026(令和8)年はマンション防災

 2003年(平成15年)に発足以来、皆様のご支援、ご協力のお陰で本年も活動を続けることができました。心から感謝申し上げます。
 相談会にご参加いただいた皆様、書物やウェブでは知り得ない各々の管理組合の内情や問題点等の情報をいただき、感謝と共に私共の勉強不足を痛感いたしました。

Afternoon Along The River – Emile Claus

 広域地震により自宅家屋(在来木造)が全壊、特別予算で撤去、同じ場所に同じような家屋を国の支援と本人の借入金で再建したところ、今度は水害に遭い再び同じ場所に同じような・・・と繰り返し、人も町も疲弊、役所も山積みになった課題を先送りのままです。

 被災地域には人が戻らず過疎化が進み経済は衰退、農家も商店も工場も後継者を育てないままに高齢化、地域復興共同事業に参加する気力もなく、町おこし事業には否定的、衰退して消滅を待つだけの地域が少なからず存在しています。

 災害危険区域の住民は個別に住居を構えるのではなく、マンションのような家族単位が集まって日常生活、少なくとも寝泊りだけでも、自然災害に強い安心できるねぐらを提供できないものかと常々案じています。

 一定規模の地震や台風などの災害において、戸建て比較すれば、強固な基礎で支えた堅牢な構造のマンションは圧倒的に安全と言えます。
 大田区の多くのマンションでは、人口過密地帯に在ります。建物全壊になる可能性が低いマンションの居住者は在宅避難を基本として具体策を立てることが急務です。

エミール・クラウス「夏の日中」

Latest
 終焉を迎えた一つのビジネスモデル:何度か相談がありました。「みんなで大家さん」はどう思う?一口100万円、配当年7%という話が胡散臭く感じていましたので、お勧めはしませんでした。
 3万7千人から2千億円を集めたといわれていますが、成田ゲートウェイの都市計画の具体案無く成り立つのか?というところです。
 
 挿絵は、エミール・クラウス(Emile Claus)印象派のベルギーの画家です。
 モネの影響を受けた新印象派的な作品が多いのですが、私が思う最も彼らしい作品を4点選びました。
 気づくのは、視点の高さが立っている人物より少し上だというのが共通しています。若干見下ろすビューになっています。

エミール・クラウス1890 『昼休み』

エミール・クラウス「野の少女たち」

 2026年(令和8年)も時々はこのHPへお立ち寄りください。よいお年をお迎えください。
 大田区マンション管理士会
 松尾好朗

 
 

タワーリングインフェルノof 香港

 香港の大浦区で11月26日に発生した大規模修繕工事中の大火災、高層マンション31階建8棟1,800戸のマンション群のうち7棟に延焼、多くの犠牲者が確認(159名)されつつあり、香港では永安倉庫火災1948年176名の死亡を上回る犠牲者数になってしまうのか、行方不明の発表がなくなり情報は混乱しています。
 亡くなられた方、そのご家族の皆様へ心よりお悔やみ申し上げます。

 この米映画を思い出しました。
 スティーブ・マックイーンやポール・ニューマンが出演したタワーリングインフェルノ(1974年)はTVでも放送が重ねられていますが、封切り時に映画館に並んだ人は、それなりの年齢だと思います。www

 この公営住宅は1983年竣工の建物ですので築42年、そして居住者の65歳以上が37%と日本の築年数を経たマンションの高齢化と構図が似ています。犠牲者のうち70%が60歳以上、またその40%が75歳以上となるようです。
 かの国のこと、情報が十分に届いていませんが、今後の資料と脳内整理のため、判明している範囲を記しておきます。

火災原因と言われている項目
■ 竹製の足場と木製の足場板の使用・・・可燃物です。また安全性の点でも過去6年間で竹足場からの落下等22人の死亡事故が報告されています。香港の公共工事では50%の金属足場使用と取り決めがありますが、現場では金属製は使われていませんでした。
■ 養生メッシュシート・・・ポリエチレン製、ロープ等はポリプロピレン製(いずれも可燃性)でした。検査のある地上に近い範囲だけを難燃認証されたメッシュを使っていたということです。
 日本の防護メッシュシートは防炎加工された高強度ポリエステルで編まれ耐衝撃性を持ち合わせています。
■ 火災報知器が作動しなかったため火事に気付かず避難が遅れた。・・・防火設備の不備は指摘されていたものの、修理交換は先延ばしになっていたということです。
 日本の消防法のように年2回の定期検査を実施していればありえないことです。しかも8棟すべて作動しなかったというのは停止させていたのかと疑います。
■ 工事中の窓ガラス等の保護のため、発泡スチロール(報道のまま)・・・可燃性のものを使用していたので火のまわりを早めました。なぜそんなものを使うのか理解できませんが、火に油を注ぐ結果となりました。

 中国本土のタワマンの壁に発泡スチロール(スチレン樹脂)が使われているという動画が見られますが、これは断熱のためで、熱にも衝撃にも弱いため仕上げ下地には使えません。
 日本では、部分的な養生に硬質発泡ウレタンを使うことがあります。

■ 作業中の喫煙が目撃されています。
 日本では絶対にありません。
 
 国家安全維持法により党中央の裁判官の独立機関による調査を行うと報道されていますが、党が入ると正しい情報(原因調査・結果)はもう期待できないかもしれません。
 当初の犠牲者発表より時間がたつと減ってくる(生き返る?)不思議な国です。

 当局者は原因を竹足場とメッシュシートに何かが引火したことを原因とし、竹の使用を禁止するようですが、当局の監督責任の批判を反らすためでしょう。足場の問題ではありません。
 役所の杜撰で形骸化した検査・認可は機能しておらず、身内業者への落札誘導(出来レース)、ピンハネを重ねる手抜き工事が原因で、相変わらずの汚職・利権構造、伝統的な責任逃れが火災原因を招いたというところのようです。
 日本円で総工費60億円、各戸90万円を負担したお金は戻ってくるのでしょうか。
 タイトルの「香港のそびえたつ火炎地獄」の頭に「人災による」を付けなければ犠牲者が浮かばれません。
 Latest
 少し前ですが、ビッグサイトのビルメンテナンス展などに行ってまいりました。ブースごとの枝葉の説明を聞いていると時間が足らないので、ぐるっと回った印象は、人手不足の対策、その関連が多かったですね、人間に代わる様々なロボットはもちろん、いかに効率よく人員配置をするかというようなアプリが多く紹介されていました。
 そのアプリは現場の意見や数年間のデータが元になっていると思いますが、そのパンフを配っている多くのチャラい社員は、まず3年ほどメンテナンス現場作業で汗をかいて寒さに震える経験を積んでからの方が説得力が身につくのではというのが感想でした。w
 私がこんな思考だから人が集まらないんだと言われそうですね。ww
松尾好朗

アルコールに寛容な社会

 夕刻、上空のヘリコプターがバリバリ爆音を鳴らしていました。
 大森駅北口の上りエスカレーターで酔漢が落下、下にいた男女は軽傷との報道がありました。巻き添えになった男女にとっては迷惑な話です。
 こんな事故でも新聞社はヘリを飛ばすんですね、ヘリの撮った写真は駅舎の上空写真でしたが、このグーグルマップの写真の方がよくわかる気がしました。ww

 土曜日の夜、駅近のAマンション玄関前の歩道へ酔客が吐瀉物をやらかしました。
 明けて日曜日の朝、居住者の一人は「管理員は何やってんだ、すぐに呼べよ」(休日だし敷地外だしww)と、日曜日に管理員が不在だったことが不満だったようです。

 他人のゲロの始末のために、管理員は日曜日に朝から自宅待機しているわけありません。
 こんなんなら管理会社変えるぞ・・・は今時は通用しませんというか管理会社から遠慮されますね。www
 管理会社に委託しているなら、その緊急センター等に連絡すれば、別動隊(専門業者=この場合は清掃会社)が処理に来るでしょう。但し、緊急対応費はソコソコの値段がします。ww
 日本社会はこのような酔客の置き土産、アルコール関係には寛容です。気持ち悪くなったんだから仕方ないよね、いいえこれは公道でも私有地であっても、汚損して放置、自首せずに逃亡した立派な犯罪です。これって、解体工事の産廃を山に捨て、迷惑をかけたクルド人と何ら変わりありません。www

 「大田区まちづくり推進部 建築調整課 住宅政策担当」から、このAマンション管理組合宛に封書が届きました。
 「大田区の分譲マンションに関するお知らせ」と題し適正管理の必要性、マンション管理状況届出制度、マンション管理計画認定制度、マンションセミナー交流会の紹介のほか、東京都マンション管理士会大田支部(以下、士会大田支部)の相談会や訪問制度が開催(区の税)しているという内容です。

グラジオラスとエゾ菊を活けた花瓶

 私たちの「大田区マンション管理士会」と上記の「士会大田支部」とは、全く異なる会(組織・団体)で交流もありません。これはよく聞かれます。
 私たちは大田区への貢献を厭いませんが、区主催または後援する相談会等には参加していません(依頼されていません)。区役所関連の開催となると、相談者へ「教科書通りの正しく当たり前なことしか・・・」言い換えると、マニュアルの範囲を超えた助言はできにくくなります。その辺り「士会大田支部」に限らず公の名称を背負っての助言等、もどかしい思いで苦労されているとお察しいたします。

二人の人物がいる農家

 つまり相手の環境や目的に合わせた場合の法の抜け道(合法)や修繕工事の業者を選ぶ方法、公の各制度の長短所、他の組合の実例、組合ごとにふさわしい手段を助言したくても、もし区に迷惑がかかる可能性があれば当たり前なことを助言するに留まってしまいます。

 幾度か大田区ではない自治体から、マンションに関わるアンケート調査や分析の依頼を受けたことがありましたが、地の利が無い作業はメリットが少ないと考え、お断りをしています。
 管理士会の紹介記事を掲載する場合も、有料の場合はお断りしています。
 但し、会員はいつでも募集しています。

Latest:
 以前、香港を旅行した時、工事現場の足場が竹だったことに驚きました。
 11/26に起きた香港の高層ビル火災は、足場の竹や防護ネットが燃えて上階へと報道がありましたが、それだけが原因では無いようです。
 少なくとも足場でタバコを黙認している等は言語道断です。
 今後の報道を待つことにしますが、いつもの隠蔽はやめてほしいですね。

 挿絵は上野で開催中のゴッホ展(家族がつないだ画家の夢)のポスターと印象に残った2作品です。
 ゴッホが描き残した作品(スケッチ含む)は2,100点ありますが、ゴッホが存命中に売れたのは知人が購入した(してもらった)1枚だけでした。でも弟のテオは兄の才能を信じ、その後、作品を妻のヨーさんへ託し、数多くの作品展を開催して世に広め、どんどんと価値を高めて行きました。
 ゴッホが世界で愛される画家になったのは、ヨーさんの才覚があったからと言えます。
松尾 好朗