香港の大浦区で11月26日に発生した大規模修繕工事中の大火災、高層マンション31階建8棟1,800戸のマンション群のうち7棟に延焼、多くの犠牲者が確認(159名)されつつあり、香港では永安倉庫火災1948年176名の死亡を上回る犠牲者数になってしまうのか、行方不明の発表がなくなり情報は混乱しています。
亡くなられた方、そのご家族の皆様へ心よりお悔やみ申し上げます。
この米映画を思い出しました。
スティーブ・マックイーンやポール・ニューマンが出演したタワーリングインフェルノ(1974年)はTVでも放送が重ねられていますが、封切り時に映画館に並んだ人は、それなりの年齢だと思います。www

この公営住宅は1983年竣工の建物ですので築42年、そして居住者の65歳以上が37%と日本の築年数を経たマンションの高齢化と構図が似ています。犠牲者のうち70%が60歳以上、またその40%が75歳以上となるようです。
かの国のこと、情報が十分に届いていませんが、今後の資料と脳内整理のため、判明している範囲を記しておきます。


火災原因と言われている項目
■ 竹製の足場と木製の足場板の使用・・・可燃物です。また安全性の点でも過去6年間で竹足場からの落下等22人の死亡事故が報告されています。香港の公共工事では50%の金属足場使用と取り決めがありますが、現場では金属製は使われていませんでした。
■ 養生メッシュシート・・・ポリエチレン製、ロープ等はポリプロピレン製(いずれも可燃性)でした。検査のある地上に近い範囲だけを難燃認証されたメッシュを使っていたということです。
日本の防護メッシュシートは防炎加工された高強度ポリエステルで編まれ耐衝撃性を持ち合わせています。
■ 火災報知器が作動しなかったため火事に気付かず避難が遅れた。・・・防火設備の不備は指摘されていたものの、修理交換は先延ばしになっていたということです。
日本の消防法のように年2回の定期検査を実施していればありえないことです。しかも8棟すべて作動しなかったというのは停止させていたのかと疑います。
■ 工事中の窓ガラス等の保護のため、発泡スチロール(報道のまま)・・・可燃性のものを使用していたので火のまわりを早めました。なぜそんなものを使うのか理解できませんが、火に油を注ぐ結果となりました。

中国本土のタワマンの壁に発泡スチロール(スチレン樹脂)が使われているという動画が見られますが、これは断熱のためで、熱にも衝撃にも弱いため仕上げ下地には使えません。
日本では、部分的な養生に硬質発泡ウレタンを使うことがあります。
■ 作業中の喫煙が目撃されています。
日本では絶対にありません。
国家安全維持法により党中央の裁判官の独立機関による調査を行うと報道されていますが、党が入ると正しい情報(原因調査・結果)はもう期待できないかもしれません。
当初の犠牲者発表より時間がたつと減ってくる(生き返る?)不思議な国です。
当局者は原因を竹足場とメッシュシートに何かが引火したことを原因とし、竹の使用を禁止するようですが、当局の監督責任の批判を反らすためでしょう。足場の問題ではありません。
役所の杜撰で形骸化した検査・認可は機能しておらず、身内業者への落札誘導(出来レース)、ピンハネを重ねる手抜き工事が原因で、相変わらずの汚職・利権構造、伝統的な責任逃れが火災原因を招いたというところのようです。
日本円で総工費60億円、各戸90万円を負担したお金は戻ってくるのでしょうか。
タイトルの「香港のそびえたつ火炎地獄」の頭に「人災による」を付けなければ犠牲者が浮かばれません。
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少し前ですが、ビッグサイトのビルメンテナンス展などに行ってまいりました。ブースごとの枝葉の説明を聞いていると時間が足らないので、ぐるっと回った印象は、人手不足の対策、その関連が多かったですね、人間に代わる様々なロボットはもちろん、いかに効率よく人員配置をするかというようなアプリが多く紹介されていました。
そのアプリは現場の意見や数年間のデータが元になっていると思いますが、そのパンフを配っている多くのチャラい社員は、まず3年ほどメンテナンス現場作業で汗をかいて寒さに震える経験を積んでからの方が説得力が身につくのではというのが感想でした。w
私がこんな思考だから人が集まらないんだと言われそうですね。ww
松尾好朗
