マンションの床下は利用できる?

 今回のテーマの前に、大田区マンション管理士会の無料相談会の日が決まりましたのでご案内いたします。 2024年11月17日(日)14:00~「マンション管理全般のご相談」
 詳しくは、後日このページと11月の大田区報にてご案内いたします。
 この日がご都合悪い方には、別途日時をご連絡いただければご対応させていただきます。

 別のページのQ&Aに以下の回答のリクエストがありましたので、ここにも貼り付けておきます。

 Q:マンションのリフォームを検討中、部屋を広くしたいので、クローゼットやWICを設置したくありません。なので、40cm程度の「小上がり」を作り、その下にすべて収納しようと考えてます。無謀ですか?

 A:リクエストをいただきましたのでお答えします。次の4つをクリアできれば無謀ではありません。(分譲マンションで、入口土間から小上がりを想定)

フィリッツ・ハンセン

その1.床を上げた分、天井が低くなります。
 コンクリート床スラブ厚200mm程度として、有効スパン(天井スラブ面から床スラブ面の内法)は2,750mm前後、床400mmを上げて、天井200mmで仕上げると天井高が2,150mm程度、梁下は更に低くなり、たとえば広めのリビング天井中央に梁が通っていれば梁下をくぐるようなイメージになり、居室の天井高としては、圧迫感があると思います。古いマンションで時々見られます。

 では、天井裏を無くしてコンクリートスラブの直(ジカ)天井にした場合はというと、上階からの音が伝わりやすく伝えやすくなり、また最上階の場合では外気温の影響を非常に受けやすく、寒暖ともエアコンが追いつかない室内環境になることもあります。そして、天井裏の空間(フトコロ)がないのでダウンライト等の天井埋め込み機器は使えません。
 まず最初に予定する間取りの中央に梁が通っていれば、梁下端から床までの距離を確認されることをお勧めします。

その2.外に面する開口部(サッシ等)の高さと生活の目線が合いません。
  窓サッシ等の開口部は共用部分のため、サイズを勝手に変更できないことはご存じだと思います。
 
サッシ上端が2,000mmの場合、400mmも床が上がれば上端1,600mmと、外を眺めるにも屈んだ姿勢になり、掃き出し窓があれば、サッシの開閉のため、サッシの手前だけは床は元の高さになり、そこに隙間ができて埃がたまりそうですね。 でも、バルコニー外の景色に向かい、縁側のように設計するのはアリだと思います。

 また、掃き出し窓以外の窓は、下端が1,100mmあったのが700mmとテーブルの高さ程になってしまいますので、転落防止の措置をしなければ危険です。

その3.パイプスペース、吸排気口は移動できません。
 水場(キッチン、バス、トイレ、洗面所、洗濯機置場等)の床上げする場合、床下に給水給湯、汚水雑排水管等を通せるため、そこは問題ありませんが、パイプスペース(P.S)と呼ばれる共用配管の位置が固定されているため、間取りを変更するのは非効率的な場合が多くあります。
 キッチンのコンロ、浴室洗面トイレの換気扇の排気ダクトも、既存の排気口に合わせないといけません。もちろん新たに共用部分のコンクリート壁面に穴を開けることは論外です。
 ならば、費用をかけて水回りの床を上げる必要性は少ないように思えます。

4.床下には換気が必要です。
 高床式住居を学校で習ったと思います。床下に風を通すことで、防湿・防腐・病害虫を防ぐ等の目的がありましたね。
 床下の空間を作り密閉容器にいれたとしても、湿気によるカビの発生や独特の臭いがついてしまうことがあります。

 そのためモノをあんまり詰め込まずに、床下全体に行き渡るような換気機能を設ける(タイマーによる強制換気や除湿)ことをお勧めします。
 400mm床上げといっても、仕上げ材の下に根太と合板、スラブのレベル調整等、合わせて約75mm程度を引くと有効高さは325mm程度になります。床下600~900mm毎に柱も入ります。そのためシーズン用品等かさばるモノが収まるのか前もって確認する必要があります。

 最後に、マンションは平面的な広さ(㎡)で判断してしまいますが、実際は空間の量(㎥)が重要です。床の全面ではなく一部の天井を利用する方法もあります。
 限られた空間を有効に使われることを願っています。
松尾好朗
 

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