マンションの価値を下げたのはタバコの臭いだった。

 大田区報11/1号、”区民のひろば”に当マンション管理士会主催の「マンション管理の相談会」(11/17)が掲載されています。詳しくはこちら

 トランプさんの勝利に影響を受けることなくww、都区内の分譲中古マンションの流通市場は活発に見えます。新築マンションの価格から比べれば、一定の客層にはお手ごろ感があるようですね。
 区内でマンションを探しているAさん夫婦(+幼児1)は、同じ駅近くに建つ2つの物件で迷っています。オープンルームを同じ日に見比べて決めることにしました。
 広さや価格、最寄駅からの距離、通勤通学、病院、日常の買い物などの条件に変わりなく、築年数もほぼ同じです。

 部屋を見てから、2択で迷うご主人に対し、奥様がこっちはダメと片方を切り捨てました。その理由は何だったのでしょうか?
 決め手となったのは部屋を内覧した後、エレベーターホールへ向かう時、共用廊下にタバコ臭が充満していたのです。外(中庭)に面した解放廊下でしたが、どこかの部屋の換気扇の排気口からタバコ臭が吐き出されていたのだと想像できます。

 この臭いにこれからずっと付き合わされるのかも、と考えるとわざわざ選びませんね、しかも一生一度かもしれない夫妻にとっては高額な買い物です。
 一般的には「共用部分での喫煙は禁止」が多いと思います。バルコニーでの喫煙は、隣家などへ煙の侵入のみならず洗濯物にタバコ臭が付くので嫌われています。このケースはキッチンの換気扇の下での喫煙が、共用廊下側へ排出されたものと思います。

 ある弁護士は「専有部分での行為は規約で制限できない。被害を明らかにすれば民事訴訟は可能」と言っていましたが、タバコ臭の排出が近隣へ迷惑をかけている(かけることを予測できる)のですから、規約・細則の「迷惑行為の禁止」で制限することを記載することは可能だと考えます。
 ピアノ等の演奏は夜8時半まで、ペットの飼育はいいけど毒蛇はダメよ、と近いところがあります。www
 夕食時になればカレーの煮込みやニンニクの匂い、アジの干物を焼く匂いも共用廊下に充満するのかもしれませんが、それらは一時的なものであり、これは日常の生活を営む上で避けられないと認められるため「魚の臭いは嫌いだから止めてくれ」は通らないと考えられます。

 せめて電子タバコなら他への迷惑は大幅に軽減されると思うのですが、朝の路上にはタバコの吸い殻が未だ多く捨てられています。大田区の火災の原因の2位がタバコの不始末です(1位は原因不明)。毎朝、近隣の路上を清掃している人達へJTの役員は、年収の8割を配らないと世間様に申し訳がなくて生きていけないはずですね。www
 話を戻すと、Aさん夫婦はタバコ臭がない方を購入しましたが、タバコ臭のマンションは、しばらく経ってから価格が200万円も下がったのです。Aさんが選ばなかった理由にタバコ臭の件を伝えたかどうかわかりませんが、この下がった価格で売買が成立すると、別の部屋の㎡あたりの基準値がこの売買で生かされますので、タバコ臭がマンション全体の価値を下げたといっても過言ではありません。

 国交省、地方公共団体、民間の協会等において、たとえばマンション管理計画認定制度、管理適正評価制度、管理状況届出制度など他にも多くの制度がありますが、これらは売買実績が稀だったり、管理会社にも見放された管理不全のマンションにこそ必要な制度であることは間違いありません。しかし、現実は自社が建てたマンションを自社の社員が自社が管理するマンションを満点の評価をして喜んでいる現状の制度では全く意味がありません。

 制度を作るのは国交省の天下り先を増やしたいだけ?また省が特定政党の独裁を長年続けていることの弊害が出ているともいわれています。
 今のやり方だと、本来対象にすべき危ない(管理不全)マンションは自ら名乗り出て登録するチャンスがありません。スラム化を放置して、廃墟になってから適正化法が、所有権が、行政代執行がといっても遅いのです。

 再び話を戻します。借金(ローン)まで組んでマンションの1部屋を購入するにあたって、実際に知りたい情報は、隣人は怖い人(反社)ではないのか、タバコを吸う人種なのか、上階の住民はどんな生活時間なのか、下階の人は音にうるさく言わないか、前の所有者の手放した本当の理由は?等の情報が重要になることもありますね。
 買ってから後悔しても遅いので、住まいを探す納税者のためには、もっともっと役に立つ制度を作りましょう。

 写真の花は、南米高地に分布するランの仲間でモンキー(フェイス)・オーッキッドと呼ばれる植物です。怒ったり、悲しんだりしている表情が様々で面白いですね。
松尾好朗