大規模修繕計画はプロポーザル方式がお薦め

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 誰もが憧れる地名、都会の一等地のど真ん中にあるAマンション管理組合で大規模修繕計画が進められています。大きな節目の施工会社を1社に絞る段階まで進行しています。
 新聞や居住者の推薦により大規模修繕工事の施工会社を募集、数多くの候補から3社に絞り、プレゼンテーションを終え、ようやく1社に絞り込み、計画内容、予算等を詰める段階にまで到達しました。

 管理士による建物の簡易診断を実施、急を要する補修は必要はないものの、経年による全体の劣化は目視で明らかでした。
 一般的にはマンション改修コンサルタントと称する設計事務所等が、建物調査診断を行いレポートと改修案を作成、数社による競争見積を実施した上で施工会社を選考、完成までの設計監理を行う方式です。(設計監理方式)

 しかし悪質なコンサルタントが跋扈してきました。
 手ごろなコンサルタント料で管理組合にうまく入り込み、仲間(グル)の施工会社と出来レースを仕組み、バックマージンを受けるという不正が多く見られました。
 何度かうまくいくと罪の意識が薄れるのか、もっと吹っ掛けてもバレないぞということで、結果は手抜き工事に現れ、コンサルタントは施工会社へ責任を擦り付け、安値の上に指示通りに施工したにも関わらず、ただ働きさせられる下請け孫請けからの内部告発により、不正が発覚した例がいくつもありました。

 このAマンションでは、プロポーザル方式を採用しました。
 管理組合が望む内容と現場の状況を理解して「わが社はこういうプランを提案します。」というアイデアを提供する会社を選考する方式です。
 工事予定金額を最初から提示する場合もありますが、分譲マンションは売買取引事例等から修繕積立金の現在残高が把握できます。

 3社プレゼンの内、プロポーザル方式の意味をよく理解されていたのは1社だけでした。具体的な内容を提示するコンペとも違います。
 組合が何を重要視しているのか、抱える問題点の理解、対応力、ソフト面も含めた総合力を持っている会社、トレンドに敏感な担当でなければ難しいかもしれません。

 設計監理方式が、不正や談合を呼び、また業界が勝手に複雑化させて頭打ちになっているのに比べ、今後はこのプロポーザル方式を採用する組合が増えることを望みます。
 ワンパターンを繰り返すコンサルタント業よりも、知識豊かでトレンドにも敏感な施工会社も多く存在していますので、設計管理方式にこだわる必要はありません。

 文中の数字は、マンションの管理費、修繕積立金の平均金額、㎡当たりの平均の数字です。
 規模別、築年数別、地域別そして晴海フラッグの例がありましたので掲載させていただきます。

大田区マンション管理士会 松尾好朗