管理適正化より大切なこと

 Aマンションの管理員のところへ町内会の方が8月の区報の束をもって来られ、「来月からは、毎月2日の午前10時、戸数分の区報を渡すので町内会事務所まで受け取りに来るように」と、取りに来ないと渡さないぞと上から目線全開です。
 これまでは、町内会の地区担当が各マンションまで区報の束を運んできて、管理員が各戸へポスティングしていましたが、紙が重くて嫌になったのか、「そうだ、マンションの管理人に、ここへ取りに来させればいいんだ。」という結論に行き着いたようです。

 相手の日時の都合や、どういう内容で契約しているかなど全くお構いなしですね。
 Aマンションの管理員はゴミ収集の日だけの勤務なので、毎月2日の10時と限られては無理、そもそも町内会の書類等を各戸配付することは管理員の契約外業務です。
 町会の方へは、清掃と少しの事務を請け負っているだけなので、たとえ往復20分程度でも勝手に現場を離れることはできないと伝えると、怒って帰ってしまったそうです。

《パラソルをさす女》1875年クロード・モネ

 そもそも町内会が管理員へ直接指示するのも間違っています。さらに大きな勘違いは、自分たちは区報を各戸へ配る名目で区から収入を受けておきながら、重くて嫌な仕事を、言えば逆らわないだろう弱い立場のマンションの管理員へ、各戸への配付のみならず、運搬まで押し付けようとしたのですね。

クロード・モネ《パラソルを差す女(右向き)》
(1886年)

 思い通りにならないと怒り出すという低レベル、これでは誰からも協力もされないでしょう。
 まず、区報はネットでいつでも手に入り、紙の区報も駅や公共な場所で簡単に手に入るので、区は町内会を経由して発行1/3回だけで町会費を払っているところにだけ配るというムラとムダばかりの配付方法や、すでにどこのマンションの資源置場を見ても「紙の古新聞」は、”聖〇新聞”と”〇旗”だけの現実、新聞折込ももう見直した方がよろしいかと。

 区報に便乗して配られる情報チラシ(地元商店街広告で運営)は「チラシお断り」にも関わらず、管理員が午後に配りその翌朝には不要チラシの箱が区報とそれで山盛りになります。
 役所が毎月せっせと作る紙資源と税金の無駄使いサイクルです。
 管理組合は地元住民とうまく付き合うのも大切ですが、地元の防災訓練や防犯講習など、理事長は弱い立場の管理員や清掃員に押し付けない配慮が必要だと思いますよ。

 夏なので、らしい絵を3枚紹介します。
 1枚目がモネの妻カミーユさんと息子のジャン、ゆらっと振り向いた瞬間のドレスのひだを風にふわりと乗せて表現しています。
 漫画家が筆が乗ってくると好んで描くのが逆光のシーンですが、モネの描く逆光はさわやかな色使いがさすがなところです。雲のきらめきが印象的です。
 モネは1875年にはパリのはずれ北西部のアルジャントゥイユ(セーヌ川沿い)に住んでいましたので、その田舎の風景です。その田舎も鉄道敷設と共に工業化が進み泳げないセーヌ川になりました。
 日本では明治8年の頃、2年後に西郷隆盛率いる薩摩武士の西南戦争(ラストサムライ)が勃発します。 


クロード・モネ《パラソルを差す女(左向き)》
(1886年)

 皆に好かれるこの3枚目の女性は、後妻の連れ娘のスザンヌさん当時18歳(2枚目も)です。陽光と強い風に背に、体を少しすくめ、左手でスカートを軽く押さえています。雲が速く動いています。
 2枚目の絵はおそらく写生ではなくモネの空想で描いたものと私は思っています。空想では人物の影はなどは不要です。ドレスの赤のヒナギクは若くして亡くなった妻カミーユさんを思いモネが描き込んだものといわれています。
 最後に現在のアルジャントゥイユの穏やかな街並みを貼っておきます。
松尾好朗

アルジャントゥイユ Argenteuil



まだ紙にこだわりますか?

 都内、大きなAマンションの集合郵便受け、脇に置かれた不要チラシ入れには、さっき管理員が投函したばかりの「区報」が早くも捨てられています。翌朝数えたところ、40%以上が捨てられていました。
 目の前で捨てられるのは、割り切れない思いでしょうね、午前中に掘った穴を午後には埋める・・・まるで囚人労働のようです。(泣)

 区報を配るのは区から予算を受けている町会の仕事ですが、このマンションでは月初めに町会から大きな束が届けられ、管理員が配っています。ポスティング作業は区報だけならともかく、地元誌や町会のお知らせも「ついでに」ということでしょうか3~4種類を配るには30分以上も時間を費やしています。

George Nelson

 紙代や印刷代、配る手間と捨てる手間、マンションでは区報等は掲示することで十分ですね、もちろん区のWEBでも対応ができています。
 また最近では、郵便受けに無理やり押し込まれている分厚いタウンページも多くはそのまま捨てられていました。
 タウンページは受付カウンターに一冊あれば間に合いそうですね、時々入っているポケットティッシュも、コロナ禍ではできるだけ触りたくないので可燃ゴミになっています。
 我々が向かうべき方向とは違うような、やっていることがチグハグな気がします。
 週一回の資源回収日、その昔に比べると新聞の量は激減しました。区民はそれぞれ別の形で毎日の必要な情報を得ているということです。

 管理組合活動の中で発生する膨大な書類はデータ化したくても、どの書類ならデータ保管してもよいのか、20数年前の「書類保管に関する細則」があっても、今は適合しない書類が山ほどあります。

George Nelson

 またスキャニングはできるとしても、原本を捨てないと書類は減らないので、細則を追加、変更させてからでないと作業に移れません。明らかに不要な書類を長老役員の一声(超法規)で捨てられなくなったりすることもありそうですね(笑)。
 紙のサイズがマチマチだとスキャニング等のデータ化には膨大な時間がかかりそうです。そもそもその作業は誰がやるの?という大きな問題があります。

 総会で、すべての議案が全会一致で決議された出席票の原本を「永久保存」する必要が本当にあるのか、過去の工事の3社見積書のうち採用されなかった2社の見積書や会社概要等を保管している意味があるのか、交換する前の設備機器の「特に異常ありません。」と書かれた点検表の原本を見たい人がいるのか等、自分の一存では捨てられないまま時間だけが経過している場合が多いのではないのでしょうか?
 管理規約・使用細則はこれらの問題に限らず、時代により柔軟に変更や追加、または削除をしておかないと未来の我々の首を絞めてしまいそうです。
松尾