Xマンションでは以前、管理員の勤務が3交代制、24時間勤務(仮眠あり)、つまり3日に一度、勤務が回ってくる体制でした。
マンション内に時間貸しの来客用駐車場が4台分あり、そこは居住者への訪問者や出入業者などで頻繁に利用されています。
時間単位の駐車場利用料金を管理員が受け取り、日々台帳に記入し、現金を当番の役員宅へ預けていました。
管理員は車の出入りのために長い時間の離席ができず、時には予約もあり、時間の確認や集計、次への引継ぎにも時間を取られていました。
ワンマン理事長が長く続けている築古の重い雰囲気のマンションでした。
マンション管理会社から新任フロントが現場へ送り込まれました。その新任フロントの管理組合への提案の一つが、金銭事故防止のため、管理員の現金取り扱いをなくすことでした。
まず時間貸し駐車場の利用状況を把握するため、管理員の日誌や台帳を調査し始めたところ、曜日や天候には関係なく、3日置きのA管理員の勤務日だけ使用回数が少ないことが判明、追及するとA管理員は利用料金の着服を認めました。
管理室カウンターと駐車場の画像は防犯カメラに記録されているので、言い訳できないと思ったのでしょう。ただ当時の防犯カメラの再生速度が最大4倍速という骨董品で、もし犯行を認めなければ証拠を探すのにはとてつもなく膨大な時間がかかっていたと思います。(笑)
3回に1回程度、駐車場利用料を着服していたようですが、業務上横領罪というよりも「ネコババ」とか「くすねる」という言葉が合っているような気がしますね。
問題のA管理員は、ワンマン理事長に取り入って勝手なことをするので、他の2人の管理員からの評判は良くありませんでした。
理事長の威を借るタヌキとでもいうのでしょうか?

そして今度は、B管理員が勘違いにより居住者の女性とややこしい関係になり辞職、C管理員は健康上の理由で辞める事になりました。同じ頃、ワンマン理事長が入院、マンションには戻ってくることはありませんでした。
新任フロントの提案の二つ目は、管理員の24時間体制を止めることでしたので、この機会を逸することなく勤務体制の見直しを提案、組合員の理解もあり、暫定ながらも管理員は日勤体制へと変更、来客用の駐車場はすでに準備を整えていたコインパーキング会社へ委託しました。
続いて機械警備の導入、防犯カメラの入替と増設を行い新体制が整いました。
管理員の人件費3名分の大幅減額などは、組合員にとっては目から鱗が落ちた感があったようです。
日勤の管理員は時間貸し駐車場の管理事務作業から解放されたので管理室に常駐する必要も無くなり、日常清掃を兼務できるようになりました。
タバコ臭い仮眠室と、ゴミがギッシリ詰め込んであった管理用倉庫を片付けて多目的室へと改装、管理室の照明もすべてLEDへとスッキリ生まれ変わった印象です。
ワンマン理事長を恐れて近寄らなかった居住者から意見が出始め、これからは組合活動も活発になるのでしょう。
この新任のフロントの改革提案と実行力がなければ、組合も管理会社もネコババに気付くこともなく、古い体制を守って余計な支出をダラダラ何年も続けていたかもしれません。
特筆すべきは、この新任フロントはスーツがとても似合う女性のマンション管理士であることです。
今世間では、見苦しいほど必死になって既得権を守っているように見えてしまう日本学術会議なるものが話題になっていますが、外野の私は攻防戦を面白く見ています。
世の中で必要とされないのに上から目線の肩書だけの人種、マンション管理組合の中でもこういう類が理事長になったら理事会も組合員もそして管理員も苦労しますね。
題目とは関係がありませんが、この絵はル・アーヴルという港が描かれています。モネの生まれ故郷です。ここから対岸のイギリスのポーツマスまで船が出ています。
この絵の「印象」という題名が印象派の名前の基になりました。
松尾
