100年マンションは響きのいい言葉です。
その頃は自分はいないけれど、次の世代がきっとうまくやってくれるだろうと勝手に幻想を抱いている人が多いのですが、今の世代がしっかり準備を始めていないと、次の世代には厄介な負の遺産となるかもしれません。
人間だって50歳も過ぎれば、化粧をするだけではボロは隠せないのと同じで、骨格も筋肉も強くして、臓器も血管も検査治療しなければ元気な体は維持できません。
建物を適時適切な維持管理をすることなく放置すると、居住者は快適性を求めて去って行きます。空室が目立ち、そうなると査定も厳しく、売却したくとも希望価格には程遠く、部屋を借りたいという人もいなくなります。
荷物やゴミの放置が始まるとスラム化の合図です。
しかし、部屋を売却をしない限りは区分所有権は存在するので、誰も住んでいなくても、固定資産税や、毎月の管理費・修繕積立金は払い続けなければなりません。

では、マンションを建替えしてはどうかという話も、建替えの増床利益や商業ビルへと勝算が見込める立地でなければデベの手も上がらず、資金力の乏しい組合単独では難航するのが見えています。
建物を解体して敷地を売却精算したいと思っても、敷地が一等地でなければ、解体費用が土地代を上回り、住まいもなくなり借金が残るだけの可能性もあるのです。

マンションの供給過剰、人口減少の現状を理解しなければなりません。いずれ法も改正されて国が助けてくれるのではないかと思うのは夢物語です。
築年数が高くても、魅力のあるいわゆるビンテージマンションは多く存在します。繰り返しになりますが、適時適切な維持管理を施していれば資産価値も保たれます。
投資目的の区分所有者は、特に修繕積立金の値上に反対する人が多いのですが、目先の小銭を確保するのではなく、長く利益を得ようと思えば発想を変えて欲しいものです。
挿絵に使用したポスターは、友人から紹介されたものです。スペイン風邪の予防のポスターだそうです。一生懸命さが伝わりますね。
先ほど香港の周庭さん(Agnes Chow Ting)の代理人から、本人が書いた「気を付けてください!アグネス」というメッセージが届きました。あなたこそ囚われの身で、体に気を付けて下さいと言いたいです。
松尾
