タワーリングインフェルノof 香港

 香港の大浦区で11月26日に発生した大規模修繕工事中の大火災、高層マンション31階建8棟1,800戸のマンション群のうち7棟に延焼、多くの犠牲者が確認(159名)されつつあり、香港では永安倉庫火災1948年176名の死亡を上回る犠牲者数になってしまうのか、行方不明の発表がなくなり情報は混乱しています。
 亡くなられた方、そのご家族の皆様へ心よりお悔やみ申し上げます。

 この米映画を思い出しました。
 スティーブ・マックイーンやポール・ニューマンが出演したタワーリングインフェルノ(1974年)はTVでも放送が重ねられていますが、封切り時に映画館に並んだ人は、それなりの年齢だと思います。www

 この公営住宅は1983年竣工の建物ですので築42年、そして居住者の65歳以上が37%と日本の築年数を経たマンションの高齢化と構図が似ています。犠牲者のうち70%が60歳以上、またその40%が75歳以上となるようです。
 かの国のこと、情報が十分に届いていませんが、今後の資料と脳内整理のため、判明している範囲を記しておきます。

火災原因と言われている項目
■ 竹製の足場と木製の足場板の使用・・・可燃物です。また安全性の点でも過去6年間で竹足場からの落下等22人の死亡事故が報告されています。香港の公共工事では50%の金属足場使用と取り決めがありますが、現場では金属製は使われていませんでした。
■ 養生メッシュシート・・・ポリエチレン製、ロープ等はポリプロピレン製(いずれも可燃性)でした。検査のある地上に近い範囲だけを難燃認証されたメッシュを使っていたということです。
 日本の防護メッシュシートは防炎加工された高強度ポリエステルで編まれ耐衝撃性を持ち合わせています。
■ 火災報知器が作動しなかったため火事に気付かず避難が遅れた。・・・防火設備の不備は指摘されていたものの、修理交換は先延ばしになっていたということです。
 日本の消防法のように年2回の定期検査を実施していればありえないことです。しかも8棟すべて作動しなかったというのは停止させていたのかと疑います。
■ 工事中の窓ガラス等の保護のため、発泡スチロール(報道のまま)・・・可燃性のものを使用していたので火のまわりを早めました。なぜそんなものを使うのか理解できませんが、火に油を注ぐ結果となりました。

 中国本土のタワマンの壁に発泡スチロール(スチレン樹脂)が使われているという動画が見られますが、これは断熱のためで、熱にも衝撃にも弱いため仕上げ下地には使えません。
 日本では、部分的な養生に硬質発泡ウレタンを使うことがあります。

■ 作業中の喫煙が目撃されています。
 日本では絶対にありません。
 
 国家安全維持法により党中央の裁判官の独立機関による調査を行うと報道されていますが、党が入ると正しい情報(原因調査・結果)はもう期待できないかもしれません。
 当初の犠牲者発表より時間がたつと減ってくる(生き返る?)不思議な国です。

 当局者は原因を竹足場とメッシュシートに何かが引火したことを原因とし、竹の使用を禁止するようですが、当局の監督責任の批判を反らすためでしょう。足場の問題ではありません。
 役所の杜撰で形骸化した検査・認可は機能しておらず、身内業者への落札誘導(出来レース)、ピンハネを重ねる手抜き工事が原因で、相変わらずの汚職・利権構造、伝統的な責任逃れが火災原因を招いたというところのようです。
 日本円で総工費60億円、各戸90万円を負担したお金は戻ってくるのでしょうか。
 タイトルの「香港のそびえたつ火炎地獄」の頭に「人災による」を付けなければ犠牲者が浮かばれません。
 Latest
 少し前ですが、ビッグサイトのビルメンテナンス展などに行ってまいりました。ブースごとの枝葉の説明を聞いていると時間が足らないので、ぐるっと回った印象は、人手不足の対策、その関連が多かったですね、人間に代わる様々なロボットはもちろん、いかに効率よく人員配置をするかというようなアプリが多く紹介されていました。
 そのアプリは現場の意見や数年間のデータが元になっていると思いますが、そのパンフを配っている多くのチャラい社員は、まず3年ほどメンテナンス現場作業で汗をかいて寒さに震える経験を積んでからの方が説得力が身につくのではというのが感想でした。w
 私がこんな思考だから人が集まらないんだと言われそうですね。ww
松尾好朗

無料相談会開催のお知らせです。

下記の内容で分譲マンションの管理等に関する無料相談会を開催いたします。

           記
日 時:2024年(令和6年)11月17日(日)
    午後2時~4時の間
場 所:エセナ大田(大田区大森北4-16-4)地図
テーマ:マンション管理全般のご相談


11月1日付の大田区報「ひろば」の中でもご案内の予定です。
ご相談にお越しいただける方は、前もってお申込み下さい。
お申し込みは、このページメニューのお問い合わせメール、または
  090-1818-1700(水野)もしくは
  090-4382-6917(松尾)へご連絡ください。
30分から1時間ほど、ご来場時間を調整させていただく場合があります。

*日時等ご都合がつかない場合でも、別の日時、場所でご相談を承ります。
 初回の相談は無料ですのでお気軽にお申込みください。
*大田区内に限らず、どなたでもご参加ください。
                                      以上
事務局




「支配からの卒業」渋谷のHマンション

 「ここは、まともじゃないから気を付けて」と、不動産関係者だけでなく修繕工事や引越し業者、宅配業者までもが声を揃えて言いました。
 6人の党幹部・・・ではなく、組合役員とその手先の管理員によりマンションの居住者を支配し金ズルにする恐怖政治が行われていました。

ジュール・ジョゼフ・ルフェーブル
(フランス、1836〜1911)『サッフォー』

 戦後、住宅不足の解消を目的に金融公庫や住宅公団が設立、1962年の区分所有法の制定により分譲マンションが法的に位置付けされ、ローンの利用が普及し始めました。
 1964年(S39)東京五輪の年「シャトー三田」が完成しました。今はタワマンに建替えられて残念に思いますが、超富裕層向けで都内の一等地、共用・専有部分共に欧米スケールの広い空間が特徴で歴史的建造物でした。
 1970年の大阪万博の年には「秀和松濤レジデンス」の竣工、そしてマンションは多摩ニュータウンに代表されるように勤労者へと広がります。

 1972年の日本列島改造論、翌年のオイルショック、そんな時期に冒頭のHマンションが計画され竣工しました。
 この頃に間取りのL(リビング)が誕生、LDKが定着します。そしてマンションはさらに郊外へ伸張します。

 Hマンションは、2024年で築50年、300近い戸数、当時の巨大マンションです。
 竣工の1974年は、ルバング島から小野田少尉が戻り、G長嶋が引退し、日本にモナリザさんがやって来た年です。モナリザの目録と新聞記事をつけておきます。ルーブルで見た時の私の印象は、意外と小さいんやな(53×77cm)です。

上野の東京国立博物館の「モナリザ展」に幾重にも並ぶ人々

 このマンションは管理会社側から、「もう契約更新しません。」と断られたので、2017年から自主管理のマンションです。
 おそらく管理会社へのひどいカスハラ、パワハラが原因かと想像してしまいます。
 管理会社にはなんの責任ない内外からのクレームが多く、赤字物件だったのでしょうね、知らんけど。ww

 実際に住んでいた(いる)方々の声から、一部を拾いました。
● 「理事会で決議した事項は、掲示板に7日間告示する方法により、組合員に対して通知する。」・・・つまり理事会ですべてが決められてしまい、ちょろっとだけ掲示して、その期間に議決権の1/2の書面による反対が無ければ可決、規約も工事もなんでも理事会で決定されてしまいます。外部居住の区分所有者へは無視なので、もう無茶苦茶ですね。

笑う女の子 La jeune rieuse 1861

 理事会は、総会で承認決議を受けた議案を具体化して実行する機関であり、理事会の権限により新たな議案を好き勝手に決議することはできません。(緊急対応など例外あり)
● 8月、12月の専有部分の工事禁止・・・役員の部屋で真夏にエアコン故障、年末に給湯器が故障しても禁止するのでしょうか?命に関わります。ww

Japonaise『ジャポネーズ』1882年

● 入館手数料を払わない業者は出入り禁止、ウーバー禁止
● 入居予定者への横暴な面談、年収差別、外国人差別、職業差別、同棲は入居拒否
● 友人を泊めたら宿泊料、荷物の搬入出料など不明瞭な料金請求
● ユニットバスへの変更不可(当時バランス釜)、フローリングへの変更不可
 この他にも多くありますが、所有権の見地から無効なルールだと考えます。そもそも、理事会だけで決定した規約・細則は無効です。それらが決定したという議事録の所在も明確ではありません。

 これら6人の役員と管理員が犯した他の区分所有者への損害は計り知れません。
 同じレベルのマンション売買で比較すると、事故物件かと思わせるほど異常な安値が付いていました。いくらでもいいから一刻も早く売りたい、あるいは貸したいという気持ちの表れです。
 安値に飛びついた購入者や賃借人からの不動産仲介業者へのクレームが多く、売れないし借り手がないしと、評判はがた落ちで資産価値はどんどん下がってしまいます。

 当時なぜ反対しなかったの?と考えてしまいますが、独裁主義国家の構図と同じで、コミュニティーから対象者をシャットアウト(孤立)、逆に変な人だと(うわさ)捏造、いやがらせ程度ならまだしも家族が危険にさらされることを考えると気持ちを抑えてしまうのです。
 このマンションは渋谷の北朝鮮と呼ばれていますが、実際は中共ですね、監視機関に多くの資金と人員を配置し、刑務所並みの監視カメラ台数と密告者を用いて、反抗する者を勝手に違反者認定、排除して独裁する手法です。

オフィーリア Ophelia 1890

 個人の所有権(区分所有権)、資産価値を下げる行為は許されるはずがありません。
 管理規約は合理的な理由がない限り、簡単に変更できないようにハードルを高くしています。
 一部の区分所有者の不利益、あるいは特権を持たせる規約など、もってのほかです。
 現在このマンションは、弁護士の力を借りて区分所有者有志が立ち上がり役員交代が実現、硬くて暗い殻の中から脱皮に成功しました。
 これから優良なビンテージマンションへと資産価値を上げてほしいと思います。「支配からの卒業」です。

 Latest:4年前に領海侵犯されても遺憾砲だけ、今度は領空侵犯されても遺憾砲どころか、媚中議員がこのタイミングでゾロゾロ訪中しました。NHK放送ジャック?あれは個人がやったことだからともみ消されそうです。ww
 都心だけでなく日本の不動産業界が中華色に染まってきています。マンション界隈は、侵入から防ぎたいのですが、この業界を司る大臣の席を長く親中議員が独占している現状が問題です。

 挿絵に登場する画家、ジュール・ジョゼフ・ルフェーブル(仏)は日本で言えば美大や芸大の教授の立場の人です。作品はダビッドやアングルに負けず劣らずアカデミズムのエリート感が満載です。当時は仏に比べて一歩遅れていた英米出身の画家を多く育てた実績を残しています。
 米の絵画には、デッサン力が抜群な画家が多いのが頷けます。
 2枚目の「笑う女の子」が可愛いですね、気取って俺様は偉いんだ的な肖像画より、癒される逸品です。

Eugene-Louis-Napoleon Bonaparte ナポレオン・ウジェーヌ・ルイ・ボナパルトの肖像 (1874)

 3枚目の「ジャポネーズ」の着物のようなキモノの絵は、まじめに描いた力作だと思いますが滑稽感がありますね。パリ万博の影響を受けてると思います。
 4枚目が多くの画家が描くシェークスピアの戯曲「ハムレット」のオフィーリアの入水の場面です。以前のブログにもオフィーリアがたくさん出てきます。
 https://mankan-ootaku.kyo/unscrupulous-malice
 5枚目はナポレオン3世の息子の肖像画です。見た目よりも実力派であったようです。

松尾 好朗

 

 

武蔵小山駅前の市街地再開発

 この地区の再開発計画の話を聞いたのは、もう17年前(2007・H19)のことです。この頃は、消えた年金、赤福や不二家の偽装があり、シンドラーELV事件が起きたのはその前年です。イナバウアーが流行ったのもこの頃でしたね。ww

 この計画は5つの地区に分かれ、駅前の2つの地区にはタワーマンションがすでに建っていて、昭和感の残っていた駅前の景観をガラリと変えました。低層階には商業施設等が入っています。

 「東京のしゃれた街並みづくり推進条例(しゃれ街)」というのがあり、一時は東洋一と呼ばれたパルム商店街(800m)の活性化を大きな目的の一つに置いています。
 後継者が見つからないのか、個性的な商店が減ったのは確かです。どこにでもある全国チェーンに貸すオーナーが増え、まとまりなく魅力に欠けてきた感じがします。
 また、狭小木造家屋の密集、救急車や消防車が入れないような狭い路地が入り組んでいる地域ですので、災害対策が急務になっています。

グスタフ・クリムト
『ピアノを弾くシューベルト』1899年

 私がお世話になるマンションの地区では、(2022・R4/7/8)に品川区の第一種市街地再開発事業の都市計画決定(公告R5/2/15)を経て権利変換へ向けて事務局と個別面談が進められています。
 この地区は公共施設や商業施設、住宅850戸が入る高さ145mのタワーマンションになる予定です。でかいですね。w

 今後は準備組合ではなく再開発組合(本組合)ができるのですが、本組合は計画内の土地の所有者(地権者)の集まりです。
 (都市再開発法20-2)「宅地又は借地権が数人の共有に属するときは、その数人を一人の組合員とみなす。」と定められています。つまりマンションの敷地が一筆になっていれば、どれだけ多くの部屋があっても、組合員数(議決権)は1です。狭い土地の戸建てに住んでいる人も同じく1です。
 土地の筆に対して1、計画を実現させるには合理的な考えですが、マンションの区分所有者にとっては不公平感がありますね。参考に議決権のQ&Aがありましたので貼っておきます。
 この計画の経過は時々報告します。

 東京都知事選が終わりました。
 結果が3位の候補がもし当選していれば、この17年間も検討、調整を続けている再開発計画は見直し、または中止になっていたかもしれません。
 国政では十分な調査をせずに八ッ場ダムの工事中止したものの、結局は必要性を認め再開、地元は翻弄されてその期間の損失を生みました。

『ベートーヴェン・フリーズ』壁画部分ゴルゴン三姉妹の上に「病」「狂気」「死」、テュフォンの右横には「肉欲」「淫蕩」「不摂生」の擬人像が描かれています。グスタフ・クリムト1901年

 古くは東京都知事選の公約通り、都市博覧会の中止をした知事がいました。工事着工後の中止、設計関連の契約の莫大な違約金を払うだけの後口の悪いもので、大赤字を残しました。
 歴史上、自ら頭を打つような倹約令が成功した例は一度もありませんね。

 専門家が描く未来図、その探求のモチベーションやプライドを傷つけ握りつぶし、自身の浅い知識で、きっとくだらないものに違いないと決めつけて嘲笑し、自己のイデオロギーのため放った最低の言葉が「2位じゃダメなんですか?」だと私は思っています。
 AとB、2つのコンピューターがあります。演算処理速度はAが世界で1番です。Bは2番です。値段は同じです。どちらを買いますか?ってことです。

 グスタフ・クリムトの作品を紹介します。題名に音楽家の名前が付いている作品です。
 「ピアノを弾くシューベルト」の中で、クリムトの愛人が左に立っています(妊婦?)。右の女性も含め、ドレスは写生したのではなくクリムトの世界の色柄だと思います。

グスタフ・クリムト
『接吻』

 ベートーヴェン・フリーズの中の歯の欠けたキングコングのようなのが、悪の権化テュホンということですが、このテュホンがタイフーン(台風)の語源ということらしいですね。
 2作品ともまだクリムトらしさは少ないと思います。この後の1905年代以降はにアヴァンギャルドな傾向が強くなり、おなじみの「接吻」などにみられる日本趣味の文様が彼の定番になっていきます。
松尾 好朗


ご報告2件と、台風のこと

1件目
 次の通り「大田区マンション管理士会」主催の無料相談会の開催を予定いたしました。
 日 時:11月26日(日曜日)14:00~ 
 場 所:エセナおおた
 テーマ:マンション管理全般のご相談

 11月1日付の大田区報、及びこのHPにてあらためてご案内いたします。
 ご相談はいつでもこのページ「お問合せ」や電話で受付しております。
 出張相談は1回目までは無料ですので、お気軽にお問合せください。
2件目
 今年の1月末に、このHPで大規模修繕工事の施工会社を募集しました。
 応募いただいた会社の競争見積を経て、1社と無事契約に至り、準備期間を経て、本日から足場工事に入りましたことをご報告いたします。工事完成は12月末を予定しています。
 ご協力いただいた皆様に御礼申し上げます。
Latest
 台風被害が目立ちます。
・子供の頃の私は、休校になるので台風来いと願い、増水でどこからか逃げ出した錦鯉や金魚を運河で見つけて興奮し、人の気持ちも考えず近所の家の瓦が飛ばされた被害を大げさに触れ回るアホな少年でした。

モイズ・キスリング《赤いセーターと青いスカーフのモンパルナスのキキ》1925年
記憶に残る魅力的な作品です。

 今はマンションに住んでいます。
 木造戸建てに比べれば台風には圧倒的に強いですね、これっといって準備も要らず、安心感に大きな差があります。
 もし建物に被害があっても、個人ではなく、修繕積立金から復旧費用をすぐに捻出できます。保険が使える場合もあります。
 また、台風を何度か経験することで建物の弱点や排水状況等に気付かされ、効率の良い計画修繕ができます。

・学生の頃、看板屋のアルバイトをしていました。字や絵を描くのと現場に取り付ける作業の両方の仕事がありました。
 ある程度慣れてくると、小さな現場はアルバイト仲間だけで出張していました。遠足気分でした。

 指定場所に柱を組んで看板を取り付けるのですが、決して手抜き(^_^;)ではありませんが、早く終わらせて遊びたい気持が優先していた傾向がありました。
 建てた後、暴風になれば大きな面でまともに風を受ける(昔の)看板なので吹き飛ばされていないかとそのたびに心配していました(今は風が抜ける仕様)。

 解体工事の足場が台風で飛ばされたというニュースがある度に、関係者は夜も眠っていられない気分だと思いますね。

モイズ・キスリング《スウェーデンの少女、イングリットの肖像》1932年
表情がメランコリック(物憂げ)ですね
日本では五一五事件があった年です。

・若いころ、あるメーカーの独身寮にいたことがあります。
 日曜日、地域が台風の進路に当たり、独身寮の男たちが招集され号令が出ました。「工場の屋根(平屋トタン葺き)が飛ばされないようにみんなで守れ」と。
 ありったけのロープで屋根を地上から押さえたけれど足りません。そのうちに風が強くなってきたので、何人もがトタン屋根の上で人間を重しにして風雨に耐えた記憶があります。台風進路がそれたので大事なかったのですが、今では考えられないですね。昭和の一コマでした。

 埼玉・沖縄・大阪で強風で屋上のソーラーパネルが吹き飛ばされた写真です。無計画、素人工事の結果がこれです。

・台風やゲリラ豪雨でマンションのエントランスホールからエレベーター室に雨水が流れ込まないようにするため、土嚢を用意することになりました。
 土嚢袋は安価で販売されています。しかし、その中に入れる土をどうやって手に入れるのか、その辺の土を勝手に使うことは窃盗になりますので、園芸店で土砂を購入することになります。

モイズ・キスリング《サン=トロペでの昼寝(キスリングとルネ)》

 100㎏以上の土砂を誰が運搬して袋に入れて、どこに保管するのか、車の床が汚れるとかやっているより、水で膨らむ吸水ポリマーが仕込まれた土嚢(軽量)を購入し、万が一の対応をとる方が結局は安価だと思いますね。置き場所に困ることもほぼありません。

 文中の絵画は、モンマルトルの洗濯船と呼ばれるカフェに集まったゴーギャン、ピカソ、アンリ・ルソー、モディリアーニ、ブラック等にユトリロ、シャガールに藤田嗣治が加わりエコールドパリというパリで活動する外国人芸術家の一人、キスリングです。

 私の想像ですが、キスリングは遠視ではないかと、このマルセイユの街並の遠くまでかなり細かく描かれています。一般の画家は遠くはぼやかして自然な遠近感がつくのですが、遠くまで見えてしまう人は描いてしまうんですね、だから全ピントが合った絵葉書のような少しうるさい絵になりがちです。

モイズ・キスリング《マルセイユ》1940年

 

南フランスの港町サナリー・シュル・メール

 ユダヤ人のキスリングは仏の降伏の後ナチスから逃れ米に亡命、仏国籍になり62歳から南フランスのサナリー・シュル・メールで亡くなるまで暮らしました。
 若い頃から画家として売れていましたので、同期のエコールドパリの画家たちの生活から比べると恵まれていたと思います。
松尾好朗


 
 

 

ゴミ集積所のゴミは誰のもの?

 私へ回答リクエストが来ましたので紹介します。
 ゴミをゴミ置き場に出した後、そのゴミは誰のもの(所有権)になる?という質問でしたが、「一般ゴミ」と「資源」を混同されているところが見受けられましたので、それらを含めた回答をしました。

 最初に、びんカン・紙類・PET等は再生資源(リサイクル)であり、ゴミではありません。また、公道等に設けられた地域のゴミ集積所は対象にせず、分譲マンションの共用部分であるゴミ置き場に出される「可燃ゴミ、不燃ゴミ」に限定して回答します。

 ゴミ置き場に集積されたゴミは、区分所有法上の管理者(総会で承認された管理組合の理事長等)へ、「収集車が来たら、うちのゴミも一緒にお願いしますね。」と、決められたルールの中で、ゴミの管理を委託し ている状態です。実務は管理組合から受託した管理会社の清掃管理員等が行っています。

 簡単クイズ1(答えは次回)

 ゴミ収集車を待ち構えて直接ゴミを渡すのではなく、前もってゴミ置き場へゴミを出しておけば回収されることが周知されている場合は、各々の都合で部屋にあるゴミを、ゴミ置き場に移動して回収時まで預けているだけです。そのため、すでに不要であってもゴミの所有権が別の誰かに移転されることはありません。
 管理運用上は、個々のゴミが誰の所有かを知る必要はありませんので、管理者(管理受託者)は「マンション内の誰かのゴミ」を、善管注意義務をもって管理を実施しているということになります。
 毎月負担している管理費には、ゴミ置場の環境を清潔に保ち、適正に管理運営するための費用も含まれています。

 簡単クイズ2(答えは次回)

 回答は、清掃事務所の収集車がゴミを回収するまでは、自分が出したゴミをマンション内のどこに置いていても所有権は継続します。
 ゴミに限らず、通常は管理組合が所有権を持つことはありません。

という回答をしました。

 TVの関連ニュースで、「ゴミを出した時点でそのゴミの所有権を放棄したことになる」と専門家の先生が主張されてましたが、勝手にゴミを管理組合(管理者)か別の誰か?へ押し付けられても困りますし、所有権放棄も結構なんですが、じゃあそれ今誰のもの?ということです。
 出したゴミから危険物、悪臭、発火、害虫、事件事故に関わることもあります。捨てたんだから関係ないは通りません。原因者は当然そのゴミを出した人(所有者)になりますね。

 最近のフランスの暴動の動画ニュースで、暴徒が高級店のショーウインドウをたたき割っているシーンがありました。何度も何度も大きなハンマーやバールで叩いていましたが、割れません。ガラスにヒビが入っても中層フィルム膜(または中層ポリカーボネート)が頑丈で侵入できません。その後は映っていませんが、防犯ガラスの効果が非常によく分かりました。これを見たら犯罪者は侵入を敬遠するでしょうね。

 フランス暴動のきっかけは、北アフリカ系の少年が警察の職質から車を急発進して逃げ、射殺されたことです。
 同じように渋谷でクルド人が警察の職質から車で逃げようとしたので押さえ、クルド人だから差別されたと、2年前の渋谷デモにつながっています。

簡単クイズ3(答えは次回)

 この渋谷のクルド人の場合、他国では射殺ものなんでしょうね、やましいことがないなら逃げなければいいだけです。
 自分の周りでは、解体工として働くクルド人がいます。重機を操作できます。
 うまくいかない自分の人生を、差別だとか他人のせいにしても解決しませんね。
 川口や蕨に集まるクルド人が、反日組織に利用されないようにと願うばかりです。
 松尾 好朗


 

山形県のタワマン

 高さ134m、地上41階、戸数389、分譲マンションでは東北一の高さです。
 山形県上山市宮脇字下川原658スカイタワー41、奥羽本線・山形新幹線「かみのやま温泉駅」徒歩30分、リゾートマンションではなく、70~110㎡のファミリー向けで、現在は750~1,250万円で流通しています。
 1999(平成11)年の竣工時は、2~4千万円で売り出されていました。だんご三兄弟が流行っていた頃です。
 築24年目の今年5月のデータです。
 21階73㎡の3LDK、約750万円(13万円/㎡)、賃貸:月7.5万円、管理組合法人、熊谷組、管理会社トウホクメンテナンス(本社仙台市)
 日本一安いタワマンといわれています。

雪景色

 駅から歩くには遠いし、地元なら同じ価格で戸建てに住めるのにどうして?と考えてしまいますが、地元は離れたくないけど生活環境を変えたいという購入動機の人を見つけました。

 この辺では通勤や買い物には車を使います。鉄道を利用するときは駅前の駐車場に停めています。これは戸建てに住んでいても同じです。
 5月末現在、ここ上山市の人口は28,337人、11,225世帯、世帯平均2.52人にタワマン389世帯かけると、981人前後がこの一棟に暮らしている計算になります。
 市の人口の100人の内の3人半前後(3.46%)がタワマン暮らしなので何かすごい。
 参考に、大田区山王1~4丁目の人口20,343人(6/1現在)と比較すると世帯平均1.87人と少なくなります。
 タワマンのすぐ近くのコンビニ「セブン・イレブン」は、このタワマンの千人近い人口だけで、商圏の安定確保ができていますね。
 車で20分ほど走れば山形市の中心部に着きます。近くに大型ショッピングセンターがあり、高速道路も利用しやすい環境ですので、立地の上で日常生活に困ることはありません。車は必需品ですが、駐車場代は安いので家族人数分借りても負担にはなりません。

 山形市内の古い木造戸建てに住んでいた時は、毎年の雪かき、屋根の雪下ろしが危険で重労働でした。近所の手伝いも断れず、体力的に追いつかなくなることに不安がありました。
 タワーに越して数年暮らし、雪に付き合う生活でなくなったのが一番のメリットです。もう絶対に戻れないと思います。

頭を雲の上に出しぃ~♪

 ここは内陸の盆地、古い木造家屋では底冷えがして、暖房費の節約はできませんでした。タワマンに移った今では、真冬でも晴れた日は朝からぽかぽかです。夏は自然の風で実に涼しく、虫も入らず冷房はほとんどいらない生活になりました。

 以前は、ご近所さまや町内会との付き合いや挨拶、選挙応援や寄付など、地域の互助精神は大切ですが、プライバシーを保つのが難しい環境でした。
 ここタワマンのオートロック設備や常駐の管理体制は、良い意味で敷居が高く、扉1枚でプライバシーを確保できます。
 今はITのおかげで、どこにいても世界中の情報を受けて仕事ができます。

 

 都内のタワマンの異常な価格設定は、某国の富裕層から建つ前から予約があり、この基準が高騰原因の一つになっています。所有権のない某国の人民は、国の不安定要素を憂い、安全資産として日本の不動産を求めています。
 某国のブローカーや妨害する組織の介入により、不動産業界だけではこの価格高騰をコントロールできていません。

街中からのビュー、木造2階建てが多い中では異次元の光景です。

 首都圏マンションの高騰のあおりを受けているのは、住まいを探す若い夫婦でしょうね、相続や親の援助で相当な現金を持っている場合でない限り、一生涯を返済に縛られる生活になります。東京都港区のように土地代が極端に高い場合は別ですが、通常の建物価格を考えたら建築資材、工賃の値上げを考えても販売の価格設定は異常です。

田んぼアートは?

 都内とかみのやま温泉では、土地の価格差が大きい分、販売価格に差が出るのはともかく、管理費用には差が出ないはずです。
 計画的に修繕費用ををしっかり積み立ててメンテナンスしておけば、長寿命の理想的な住まいになるでしょう。 
 塩害もなく、地震に対しても安心感があります。 

 データでは管理費100円/㎡、修繕積立金146円/㎡でしたが、長期修繕計画上は資金不足に陥ると思いますので、すでに修繕積立金は値上されていると思います。

Latest(最近の報道に対して)
 世界のジェンダーギャップ指数、日本は146ヵ国中の125位で、モルジブとヨルダンの間だそうですね、上位はいつものように北欧諸国が占めています。
 モルジブ、ヨルダンはイスラム教国で、根底に女性差別の宗教観があり、女性の社会進出が難しい国です。マスコミは「日本は遅れている」的な報道が好きですね。
 以前にも述べましたが、根拠がマチマチなお粗末ランキングだと思います。
 イスラム教国が全く尊重されていません。このことは、もう何かリベラル白人系民族の承認欲求、我々こそ正しいという自己肯定したいだけの「あせり」を感じてしまってイタイです。

 例えば、ランキング7位のニカラグアは人口660万の独裁国家で、反対派の政治家・ジャーナリストは消され、新聞社丸ごと隣国へ移転(避難)する国です。でもなぜ男女平等の7位か調べると、大統領夫人が副大統領に任命されているからなんですね。データは正直でした。
 国王が全国の少女を並べて愛妾を選ぶ国、女性を誘拐して妻にする(略奪婚)のは罪にならない国等が上位にランクされていますが全く信用できません。
 日本でも都道府県(市)、住みやすさランキングという、業界が都合よく作成したデータで、栃木県や茨城県を最下位争いと貶めて差別しています。
 ランキング結果が不動産の流通の活性化につながるなら良いのですが、これはクラスのかわいい子コンテストの投票で盛り上がる小学生レベルです。www
松尾好朗

無料相談会のお知らせ 2023.5.28

下記の要領で分譲マンションの管理等に関する無料相談会を開催いたします。
New ⇒ おおた区報 5月1日号「区民のひろば」に掲載されました。
           記  
日 時:2023年(令和5年)5月28日(日曜日)
    午後2時~4時の間
場 所:エセナ大田(大田区大森北4-16-4)
地図
テーマ:マンション管理全般のご相談

ご参加いただける方には、前もってお申込み下さい。
お申込みは、このページメニューのお問い合わせメール又は
     090-1818-1700(水野)もしくは
     090-4382-6917(松尾)へご連絡ください。

 30分~1時間程度、ご来場時間を調整させていただく場合がありますので、その場合はご連絡いたします。

*日時等、ご都合がつかない場合でも、別の日時、場所でご相談を承ります。
 初回の相談は無料ですのでお気軽にお申込みください。
*大田区内のマンション、大田区在住に限らず、どのようなことでもご相談ください。
                                    以上
事務局



マンション管理費の目的外の支出

 Aマンション会計の支出明細を見ると「赤い羽根」(共同募金・福祉基金)という項目が目にとまりました。居住者に覚えがなくても、町内会費とは別に毎年支払われているようです。
 これ、今話題のずさん会計が問題になっているWBPCなる偏向団体へ、赤い羽根で集まった募金や基金を大盤振る舞いされていたことが判明したばかりですね。
 「政治思想を広めることを目的とする団体」への助成は対象にできないはずですが、赤い羽根の理事が偏向思想の同〇社大学の教授で、自身の関係団体へ毎年巨額の支援金を流していました。
 弱者を救うと正義面して、裏で甘い汁を吸い自身の政治活動に使っていたのは許せません。
 赤い羽根はこれからは「赤いピン羽根」と呼ばれますね。多くの善意とボランティア活動をされている方を裏切る行為です。

 管理組合ではこのようなことは少ないと思いますが、組合員は総会資料で明細が記載されてなかったり、意味の分からない支出を見つけたら総会でどしどし質問しましょう。
 また、マンション独特のやむを得ない負の事情等があれば、隠さずに公開して共有する方がよいと考えます。

アンダース・アンデルセン・ルンビ
冬景色が得意なデンマークの風景画家

 前回実施の提出書類に、日付だけ変えただけに見えてしまう建基法12条点検(特建・建築設備定検等)は、計画的で適正管理が行われているマンションに本当に必要なのか疑問(多摩川を越えると不要)があり、管理計画認定制度、管理適正表示制度、登録表示制度ほか次から次へと搾取(カモに)されているという意見が耳に入ります。
 管理士でも目的や必要性を明確に詳しく説明できる人はなかなかいませんね。ww

アンダース・アンデルセン・ルンビ

 話を戻しますと、マンションの居住者が町内会(任意団体)に入会するのは、個人(世帯主)の自由です。
 氏子と町内会等が主催するお祭りで配る「おやつ引換券」が町内会未加入家庭の子供はもらえないので可哀そうという話をよく耳にします。そのお菓子の購入や袋詰めするのは町内会なので、地域の子供全員へとはいかないのは当然なのでしょう。

 でもこんな話ずっと前から続いているわけで、町会は区から公金(補助金)を受けている分、未加入者が不公平にならないように全員に配るべきですが、昔と違って「おやつの袋」は子供にとってはもうイベント性は薄れていますし、食べ物を触る衛生面も問題視されるので、もうやめた方がよいと思います。
 ではお祭りの夜店、屋台は衛生的なのか?と反論が聞こえてきそうですが、私は子供たちが少し怪しげな雰囲気の中ワクワクする非日常感の体験・自己責任の少しの冒険ができる方を優先すべきと思っています。
 ついでに、餅つき大会の「合いの手」は素手ではダメなようですよ。😢

 また話がそれてしまいました。
 管理費とは区分所有者が負担する共用部分に関わる経費であり、町内会費は地域に居住する加入者(区分所有者、賃借人等)から別途集金するものです。しかしマンション各戸への集金手段が難しく、居住している賃借者ではなく居住していない区分所有者が負担している管理費から引落していることが多いと思います。

 もし数人の区分所有者が町内会へは加入しませんとなれば、管理組合はその方たちから勝手に町内会費の引落はできません。
 町内会の請求金額ではなく、集まった金額だけを、加入者の未収金があればそれも除いた分を払えば足ります。管理組合が立替える必要はなく、町内会費の未収金管理(請求・督促等)も行う必要もありません。

アンダース・アンデルセン・ルンビ

 流行りの同調圧力で、会費が年に戸当たり年1,200~2,400円程度なら、まあいいかと払っている人が多いのではないでしょうか。(ちなみに芦屋六麓荘町の町内会費は入会金50万円、年18,000円)
 そもそも町内会の担当が戸別訪問により集金し、日常的に情報を交換して、いざというときに助け合えるのが理想的でしょうが、多くの町内会が高齢者ばかりなので望み薄なのが現実です。
 年間行事も完全に形骸化(もう骨董品😢)していて、改革しようとする人は皆無、最も重要な町内居住者間のコミュニケーションが欠落しています。
 ついでに言うと区からの公金を受けている割に決算書がブラックで、百万単位の収支でも明細がなく一式で判明できないようになっていることが多いのです。

アンダース・アンデルセン・ルンビ

 Bマンション管理組合では、やはり集金手段がないので、町内会費ではなく雑費の中で「近隣対策費」という項目を設け管理費から支出しています。交際費に近いものと扱い、総会承認事項になります。

 長くなりましたので、これで参考にしていただければと思います。

 挿絵の画家、アンダース・アンデルセン・ルンビの風景画からは「シン」という音が聞こえてきそうです。(ルンビという名前のスキージャンパーがいましたね、多分北欧のどこかです。)
 4枚目には珍しく建物と人物が描かれていますが、人物と比較すると建物のバランスが巨大になっています。まだ雪が残る季節、暖かい窓の灯かりを強調したのだと思います。
 松尾好朗

高経年マンションと居住者の高齢化

 皆様、明けましておめでとうございます。令和5年元旦
 昨年はこのホームページを通し多くの方からお問合せ、また各専門分野の方々からご助言や情報の提供をいただき誠にありがとうございました。

 マンションの高経年化と、そこに住まう人々の高齢化については、もうすでに大きなテーマになっていますね。

 世間では、上級国民と揶揄される高齢ドライバーや、都合が悪くなると言った覚えはないという頑迷な名誉教授、イイネを言論統制する裁判官、補助金だけは受け取るワクチン反対の老医院長、そんな元気すぎる高齢者が目立ちましたね。マンション管理組合でもその縮図が見られます。

歌川広重「隷書東海道」の大津 何が起きたのか、わめいているおじさんを周りからなだめられている様子を、荷牛車の前から眺めている男は相方でしょうか?ストーリーがありそうですね。

 総会で決議された緊急性のある工事を、自分の知人の会社ならもっと安いと言ったきり自分では何も手配せず放置する長老の役員、他の役員は高齢者への遠慮があり、情報もない中ではコトが前へ進みません。

歌川広重「四日市」
遠近法でいうと左の菅笠を追っかける人と比べて、右の菰を被った人が巨人になってしまいますが、不自然に見えないのがさすがです。

 反対の例があります。総会決議を経ず、自分の知人の業者へ中規模工事を勝手に発注した声の大きなワンマン理事長、不正が明らかでも同じマンション内に居住する理事長を、手順を踏んで訴訟するには体力と時間と資金が必要です。無関心な組合員にも責任はあります。

 また若手の役員を部下のように扱う勘違い役員、嫌われますね。
 これでは他の役員のやる気が失せてしまいます。

歌川広重「行書版東海道」関 旅籠屋の店先
今着いて盥で脚を洗って機嫌がよさそうです。旅人の袖を引っ張ってるのはおばあさんのように見えますが、高齢の客引きでしょうか?ww

 あの役員がいるので参加しないと言う役員が出てくると理事会は成り立たなくなります。
 一般的に高齢の役員は議案と関係がない話が長く、自分の生活範囲外やAIやITに関係する設備導入は否定的な傾向があると感じます。

 建物・設備は、計画的な積立金があればなんとかなります。でも悪質コンサルタントに騙されないようにしましょう。
 マンションという居住形態では、高齢者の寝タバコや揚げ物調理など専有部分の火の扱いも全館へ影響が及ぶので心配です。またセールス訪問にほいほいオートロックを解除して中に入れてしまうことは、他の居住者全員に迷惑をかけることになります。
 高齢役員ばかりに組合運営を任せていると、たとえ経費は抑えられても、残念ながら時代遅れの落ちこぼれマンションとなりがちです。こうなってからでは資産価値の回復は困難になります。
 これまで高齢者が関わる悪い例ばかりを挙げましたが、役員は各世代の意見を取り入れて運営するのが理想的です。
 10年前の修繕計画などはすでに使えません。補修に追いかけられるのではなく、時代に合った機器、システムの導入、新しい仕上げ材料、工法の採用等を修繕計画に取り入れる見直しが必要です。

歌川広重「鞠子宿」
 鞠子名物といえば「とろろ汁」です。ポスターに描かれた二人が腰掛けて食べているのも鞠子のとろろ汁です。この頃も足を組んで食べる人がいたんですね。

 原宿の太田記念美術館で広重が描く昔のおじさんを集めた展示会が開催されます。「おじさん」だけでは集客が難しいと考えてしまいますが、広重の作品はどれも見ごたえあります。

 皆様、本年も時々ホームページを覗いていただきますようお願い致します。
大田区マンション管理士会 事務局 松尾好朗

専用庭は誰が管理するの?

 マンション1階の居住者が出入りできるちょっとした庭を見かけます。外から生垣越しに見られるその空間は専用庭と呼ばれています。共用部分であっても専用使用権があり通常時は他の人が立ち入ることはできません。
 ほとんどの場合、その専有部分の区分所有者は管理費とは別に使用する対価(専用庭使用料)を各面積に応じて負担しています。専用庭の日常管理は、その使用者(居住者等)が行うことになります。
 また災害等の緊急時には、避難ハッチや1階居住者の避難経路になっていることがありますので、その経路を妨げるような工作物等の設置はできない等の制限が設けられています。

 専用庭と隣地境界の生垣等について、Aさんはヤシを植えたい、隣のBさんは和風の竹垣にしたいとなると、マンション全体の統一感が保てません。そのため生垣は管理組合の管理範囲となりますが、実際はネットフェンスを境界ギリギリに設けて内側の狭隘幅に丈夫で世話要らずの樹種が植えられ、それを管理組合(or管理会社)が造園業者へ管理委託しています。

「ニューヨークレストラン」 1922年


 尚、内部の庭を芝生や花壇、家庭菜園にすることは自由ですが、目的外になる物置や車庫の設置等は禁止と使用細則に明記されていることもあります。また害虫を発生させるような環境や、鳩の巣を放置する等は近隣への迷惑行為に繋がります。

「夜の窓」1928年

 公道と敷地ギリギリに植えてもフェンスの目などモノともせず木は成長します。どこのマンションでも枝葉が大幅に越境していますね、もともと狭い歩道で人のすれ違いは、葉っぱに体をバチバチ当てながらの通行になります。
 モチやシラカシ、柑橘系に限らずスス病がよく見られますが、通行人の服にスス病の黒い汚れがついて110番通報されたことがありました。

またサザンカによく発生するチャドクガの幼虫(毛虫)に通行人が刺されたら最悪です。管理者(一般的には理事長)が管理責任を負うことになります。
 設計者はこのように枝葉が隣地や公道へ越境することを知りながら放置、改める気も力も無いのか何十年も懲りずに繰り返してます。新しいマンションの計画においてもデベロッパーの言いなりですね。
 植栽規模によりますがマンションでは年間4~6回の植栽管理が計画されているのが一般的です。いつも整然と刈り込まれている大邸宅の庭木が放置され始め、葛が絡まるお化け屋敷のようになってくると、その家の財政状況が想像できてしまいますね。マンションも同じで年6回の造園管理が4回になり2回になり・・・。

(右の絵の拡大部分)
ナイトホークス」は夜更かしする人のこと
エドワード・ホッパー 1942年
 
明るい店内とひっそりした外部との 対比、男の背中から、都会の孤独感が滲み出ています。

 Cさんはクリスマスツリーのような大きなモミの木のある1階専用庭付き中古マンションを購入しました。管理組合が行う植栽剪定の日、造園業者からモミの木は居住者が植えた木なので契約外と告げられました。剪定する場合は高木のため道路側からのクレーン車作業になり道路使用や安全管理を含め費用は高額になるといわれて驚きました。売買時の重要事項調査報告書にはその記載がないので問い合わせると、前所有者も知らずに購入したのでわからないとのことでした。(仲介業者の責任回避の作文に間違いありませんが‥。)

 管理組合は管理規約・使用細則またはそれらに付した確認書、覚書等へ、どの樹木が共用部扱いであることが明記(あるいは平面配置図等に図示)されていないと、マンションを中古で購入時には、すでに植わっていたとなればトラブルの原因になり、放置されても危険であったり上階の居室の日照を妨げになることも考えられますね。

エドワード・ホッパー

 最近の類似例です。築45年を過ぎた物件で、専用庭にサンルームのような居室が増築されておりその状態で売買契約が成立した例があります。過去の専有部分工事届の提出記録等はなく許可されていません(もし提出されても許可はできません)。
 売り主側も購入時にはすでにサンルームは存在していたとのことでした。
 これは管理会社の幾度の変更による引継ぎ不足にも原因がありますが、放置していた管理組合に責任があると考えられます。たとえ10㎡以内でも承認されない共用部分の変更は違法であり、他の部屋と㎡あたりの管理費等の負担や固定資産税の割合が違ってきます。専用庭使用料を納めているのは別問題です。
 その場所で漏水事故が起きた場合、管理組合の共用部分の保険は対象外となります。
 仲介業者は面積が少しでも広い方が高く売れるので、売り抜ければその後はなんの責任も負いません。登記面積と現況面積との違いに疑問を持ち、プロならその説明もしなければなりませんが、売り主と口裏を合わせ見ぬふりを通したのかもしれません。

エドワード・ホッパー
「日曜日の早朝」 1930年

 この数年、管理費コストダウンの要求から、管理員の業務範囲や業務時間を短縮していることが多いので、専有部分に何らかの動きがあっても、清掃を終えてさっさと退出する管理員から会社が多くの情報提供を受けることは期待できません。
 フロント(物件担当)が管理員に居住者の売却やリフォーム情報等、業務範囲外の要求をしても道理に叶わず無理というものでしょう。

 もし誰が植えたかわからないような成長しすぎた樹木を、近隣迷惑のため切らなければならなくなったとき、場所によりますが伐採、伐根は非常に高価なものになります。他の修繕計画に影響する金額になるでしょう。早めに管理組合の植栽管理範囲を明記するものを作成することをお勧めします。

 今回の挿絵には、とってもアメリカンな絵画を選びました。
 エドワード・ポッパー(1882-1967)が大都会の孤独感、憂鬱、自由な中の閉塞感を見事に表しています。
松尾好朗




管理適正化より大切なこと

 Aマンションの管理員のところへ町内会の方が8月の区報の束をもって来られ、「来月からは、毎月2日の午前10時、戸数分の区報を渡すので町内会事務所まで受け取りに来るように」と、取りに来ないと渡さないぞと上から目線全開です。
 これまでは、町内会の地区担当が各マンションまで区報の束を運んできて、管理員が各戸へポスティングしていましたが、紙が重くて嫌になったのか、「そうだ、マンションの管理人に、ここへ取りに来させればいいんだ。」という結論に行き着いたようです。

 相手の日時の都合や、どういう内容で契約しているかなど全くお構いなしですね。
 Aマンションの管理員はゴミ収集の日だけの勤務なので、毎月2日の10時と限られては無理、そもそも町内会の書類等を各戸配付することは管理員の契約外業務です。
 町会の方へは、清掃と少しの事務を請け負っているだけなので、たとえ往復20分程度でも勝手に現場を離れることはできないと伝えると、怒って帰ってしまったそうです。

《パラソルをさす女》1875年クロード・モネ

 そもそも町内会が管理員へ直接指示するのも間違っています。さらに大きな勘違いは、自分たちは区報を各戸へ配る名目で区から収入を受けておきながら、重くて嫌な仕事を、言えば逆らわないだろう弱い立場のマンションの管理員へ、各戸への配付のみならず、運搬まで押し付けようとしたのですね。

クロード・モネ《パラソルを差す女(右向き)》
(1886年)

 思い通りにならないと怒り出すという低レベル、これでは誰からも協力もされないでしょう。
 まず、区報はネットでいつでも手に入り、紙の区報も駅や公共な場所で簡単に手に入るので、区は町内会を経由して発行1/3回だけで町会費を払っているところにだけ配るというムラとムダばかりの配付方法や、すでにどこのマンションの資源置場を見ても「紙の古新聞」は、”聖〇新聞”と”〇旗”だけの現実、新聞折込ももう見直した方がよろしいかと。

 区報に便乗して配られる情報チラシ(地元商店街広告で運営)は「チラシお断り」にも関わらず、管理員が午後に配りその翌朝には不要チラシの箱が区報とそれで山盛りになります。
 役所が毎月せっせと作る紙資源と税金の無駄使いサイクルです。
 管理組合は地元住民とうまく付き合うのも大切ですが、地元の防災訓練や防犯講習など、理事長は弱い立場の管理員や清掃員に押し付けない配慮が必要だと思いますよ。

 夏なので、らしい絵を3枚紹介します。
 1枚目がモネの妻カミーユさんと息子のジャン、ゆらっと振り向いた瞬間のドレスのひだを風にふわりと乗せて表現しています。
 漫画家が筆が乗ってくると好んで描くのが逆光のシーンですが、モネの描く逆光はさわやかな色使いがさすがなところです。雲のきらめきが印象的です。
 モネは1875年にはパリのはずれ北西部のアルジャントゥイユ(セーヌ川沿い)に住んでいましたので、その田舎の風景です。その田舎も鉄道敷設と共に工業化が進み泳げないセーヌ川になりました。
 日本では明治8年の頃、2年後に西郷隆盛率いる薩摩武士の西南戦争(ラストサムライ)が勃発します。 


クロード・モネ《パラソルを差す女(左向き)》
(1886年)

 皆に好かれるこの3枚目の女性は、後妻の連れ娘のスザンヌさん当時18歳(2枚目も)です。陽光と強い風に背に、体を少しすくめ、左手でスカートを軽く押さえています。雲が速く動いています。
 2枚目の絵はおそらく写生ではなくモネの空想で描いたものと私は思っています。空想では人物の影はなどは不要です。ドレスの赤のヒナギクは若くして亡くなった妻カミーユさんを思いモネが描き込んだものといわれています。
 最後に現在のアルジャントゥイユの穏やかな街並みを貼っておきます。
松尾好朗

アルジャントゥイユ Argenteuil



話題尽きないマンションのペット飼育

 5/29の無料相談会の案内

 以前、フランスでは仔犬(猫)をショーケースで陳列する販売方法は虐待だとして規制するという報道がありました。イルカショーや動物サーカスなどはもってのほかです。
 しかし飼育環境が劣悪でもブリーダービジネスが成り立っているのなら、本来の目的がどこへ行ったのかよく分かりません。しっかりと管理ができるのなら闇売買よりはいいのかもしれませんね。

アルベルト・ジャコメッティ [猫]

 日本では昨年2021年6月の「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」によりケージの大きさまでが細かく決められました。現在の展示型のサイズでは不足します。省令等を本当に愛護の観点から改正するなら、まず裏社会が参画できないようにして、基準はもっとシンプルに示さないと、管理できる人がいなくなり結局は自己満足で終ってしまいそうな気がします。

 仔犬(猫)の親が、様々な経験をさせて子供を躾けるべき大切な時期に人が切り離し、ぬいぐるみ感覚で販売するシステムがまだまだ続いています。そこが反社組織の資金源になっているのは周知の通りです。ニセの血統書付きの子犬が何十万円もするカラクリは、ココ山岡(宝石のキャッチ販売)がウソ鑑定書を乱発していたことに似ていますね。
 キャバクラのお嬢さんがカモの客をペットショップに連れ出して仔犬をねだって購入させ、次の日にはその仔犬を返して返金を受けるというビジネスも裏社会に貢献しているようです。

 さて、マンション管理組合の「ペット飼育細則」も国が作成する政令・省令と似たところがあります。例えば、飼育できる犬の体長は何センチまでと細かく指定があっても、それをだれが毎年計測して管理するのか、その費用は?もし制限を超えていたら誰がどのように違反通告するのか、家族同然のペットを引き離すことができるのか、実際はウヤムヤになっていることが多いと感じています。

Dog-Pablo-Picasso

 マンションでのペット飼育の話題はいつも盛りだくさんです。
 犬猫等のペットの飼育を禁止しているマンションでも、隠せないのがゴミ置場に出されている重くて強烈な臭いを発する(ペット)トイレ砂です。消臭効果が切れたころに持ち込まれるので、マンションのごみ置き場は食肉目イヌ科・ネコ科の獣臭に満ちた野生の王国に変貌します。堂々とペットフードの空き缶を洗いもせずに出している「自称愛犬家・愛猫家」も多く存在します。困った人たちですね。

ロレンツォ・ロット『受胎告知』1527年 レカナーティ美術館
Lorenzo-Lotto-The-Annunciation

 本能を否定する去勢手術をさせてまで玩具にする人間はどこまでエゴなのか、そこまでやっておいて、そもそも「動物の愛護及び管理に関する法律」自体が人間が作るものなので動物のために意味があるのかと思います。

 マンションでのペット(犬猫等)飼育は、可か不可かではなく、基本的に他の居住者に迷惑をかける可能性があるため飼育不可(禁止)しかありません。
 可能性というのは飼い主は感じなくても、他の人が臭いや鳴声(周波数)、騒音、羽毛の飛散、トラウマ、アレルギー等を迷惑と感じる場合です。

 しかし、様々な理由で飼育する場合は、禁止されている中で飼育しているという意識をもって育てるなら、それ以上の制限はできない(許可ではありません)ものと考えます。
 他の居住者から直接の不利益等、受忍限度を超える被害を受けることがあれば、元々飼育禁止と定められているため法的に争う必要もありません。
 マンション内で動物愛護、ペットは家族など、不毛な議論はするべきではありません。

 絵は私の好きな猫と犬です。
 ロレンツォ・ロットは絵画の高い技術を持っている割には同時期に天才達が活躍していて目立ちません。後にブラマンテに認められたのですが、バチカン宮殿の壁画装飾で仕事を一緒にしたのがラファエロだったので、またも目立つことなく実際にロットの部屋は後に取り壊されてしまいラファエロの部屋の壁画は現存しています。その中でこの受胎告知(1534年)は特異です。
 他の多くの画家が描く「受胎告知」とは違うところは、右の大天使ガブリエルから受胎したことを告げられる場面で、マリア様がびっくりこいて逃げているのですね、上から格好つけた背中に羽根の生えた知らないオジサンが突然降りてきて「処女受胎したよ」なんてことをいきなり言われたら誰でも必死で逃げますね。
 この後どうしたんでしょうか気になります。
 本来は不吉な場面の小道具に使われる猫を描いているのも興味深いところです。

松尾 好朗

歩道にあった死角

 以前、当ブログで‘街で見かけた残念なデザイン’と題して取り上げたのが、大田区内第二京浜(国道1号線)の歩道との境に設置されたガードレールのデザインです。

 パイプの隙間にカバンの帯紐なのか水筒のヒモのようなものが挟まっていて、それが一つや二つではなく連なっている個所もありました。

 先日、工事業者がそのモノが挟まっているガードレールを外し、別のもの(よく見ないと違いが判りません。)と交換しているのに出くわしました。
 このブログで指摘したからでしょうか、いやいや評判が悪かったのでしょう、隙間には平板が溶接されていました。この写真の通り・・。

 これで子供が水筒やカバンのヒモを隙間に詰めてしまって、どれだけ引き抜こうとしてもだめなので、泣く泣くあきらめ帰ってから母親に「ぼーっとして歩いてるんじゃないわよっ!」と叱られなくて済みそうです。めでたし、めでたし。

 もう一つ、あるファミリーマンションのエントランスドアの取っ手のデザインです。

 特定したくないので問題の部分だけの写真ですが、取っ手の上下エッジが鋭角に尖がっています。わざわざ特注したもののようです。
 高さから考えると、下端は扉が風にあおられると小さな子供のおでこや目に直撃するかもしれません。
 管理員さんもその扉のガラスを磨く際には、かがんだ時等に尖ったところで手や顔を引っかけないように気を使っていると言ってました。
 実際触ると痛いです。いずれにしてもストレスを感じるデザインです。
 

  設計者は他と違うもので差別化して満足したのかもしれませんが、危険で残念なデザインだと感じました。
 不特定多数の人が出入する公共性のある場所では、デザインの基本は忠実に守って欲しいものです。
 松尾好朗

無料相談会のご案内

 日 時:2022(令和4)年5月29日(日曜日)
     午後2時から
 主 催:大田区マンション管理士会
 テーマ:分譲マンションにおける相談


 ウィルス感染拡大の防止のため、相談会の開催が延期になってしまい皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
 大田区報5月1日付の「ひろば」でも案内される予定です。
 ご参加いただける方には、前もってお申込み下さい。電話(090-4382-6917松尾)または、こちら「お問合せメール」からお申込み下さい。
 30分~1時間前後、ご来場時間を指定させていただく場合があります。
 管理組合、区分所有者が抱える諸問題について是非ご相談下さい。
 事務局

unsplash



 
 

世に溢れる怪しい商品

 最近よく聞くリバースモーゲージやリースバック、あの手この手で人の財産を巻き上げようとしてきます。クレジットカードも、毎度毎度リボ払いを勧めてきて、人を借金漬けにしようとしてきます。横文字に置き換えても、高利貸しと変わりがありませんね。(笑)

ポプラ並木(ジヴェルニーにて1/23枚)
クロード・モネ 1891年の秋

 リバースモーゲージは、自宅を担保にお金を借り、返済期間中は利息分のみの返済という自宅担保型のローンです。土地の価値を重要視するため、超一等地等は例外ですが、区分所有のマンションにはなじまないローンです。

 契約者が返済途中で死亡すると、その相続人は基本的には自宅に住み続けることはできないため家を明け渡さなければならないというデメリットがあります。

 リースバックは、自宅を業者へ売却した後、賃借人として同じ家に住み続けられるというメリットがありますが、デメリットは相場より低い金額で売り渡し、相場より高い賃料で借りるように追い込まれてしまうこと、数年後には家賃値上げを受け入れざるを得ないことや、期限付き契約では途中で退去し住まいを失うことがあります。

 戸建ての場合は近所の人に知られないように売却して住み続けられますが、マンションでは区分所有者変更になれば、管理者は理事会や総会で(多くの場合は管理会社が代わりに)報告する義務がありますので、売却したことを隠すことはできません。

 業者は「ご相談」と称して足元を見てきますので、世間体を気にせずに他の方法を選ぶべきでしょう。

アリスカンの並木道
フィンセント・ファン・ゴッホ 1888年

 最近、ある管理組合で修繕積立金減免制度といって、これまた怪しい話を聞きました。
 高齢化社会の中、マンション居住者の高齢化が目立ち、同じく建物も高齢化(老朽化)が進みます。
 建物の日常的な保守管理、定期的な大規模修繕工事、さらにはその時代に見合った設備機器への更新や法改正に対応したリニューアル等を適時適切に実施しなければ資産価値の低下を招き、安全な暮らしを維持できなくなります。
 それらを放置するとスラム化を招きますので、長期修繕計画に応じて修繕積立金の各戸負担額が値上となるのはやむを得ません。

 とまぁ、ここまではよく聞く話ですね。
 区分所有者の中には値上げに耐えられず、又、他の様々な事情で管理費・修繕積立金等を滞納する人が現れます。
 滞納(未収)金は払うことができなければ、最終的にそのマンション区分所有権を売却(任売、競売)してその精算に充てることになります。

赤い屋根
1877年 ジャコブ・カミーユ・ピサロ

 この減免制度は管理組合が、そういう事情で支払いができなくなったり、収入のない高齢の区分所有者に対して、修繕積立金の各戸負担を減免(免除)するという制度のようです。
 その範囲は、値上げされた差額分だけの減免や、その家庭事情に合わせた期限付きの免除等が考えられますが、制度を承認するには管理規約の変更追加が必要になりますので、明確に明文化する必要があります。
 減免といっても会計科目は「未収金2」とでもするのでしょうか、未収金は管理組合の貸付ではないので、遅延損害金や保証人の有無、覚書の精査、そして時効を援用されないような方法を取っておかなければなりません。
 いずれにしても管理組合の会計に影響のない十分な体力(剰余資金、積立金等)を持っていなければ、将来に亘っても実行できる制度ではありません。
 大規模修繕工事で費用を借入をするような管理組合では成り立ちませんね。

秋のアルジャントゥイユのセーヌ川
クロード・モネ 1873年

 理事長は、同じマンションの仲間に「払えないなら部屋売って出ていけ」とは言えないので、温情からこの救済制度を考えたようです。
 将来その区分所有者が亡くなったときに相続人が精算、又は売却して精算となりますが、この超高齢化社会の中で免除期間が20年以上にもなれば、減免した金額も高額になります。毎月の管理も手間がかかりますね。

 例えば、築古ワンルームの高齢者が減免制度を利用し、長命で亡くなられたケースでは、その間も建物もさらに古くなり資産価値も下がります。
 販売価格に免除額が上乗せされるので、古くて高いマンションは売れることなく、その期間も毎月の管理費等の全額が積み上がります。
 当然のように相続放棄され、競売でも債務付きマンションには買手が現れず、結局管理組合は減免した分の債権放棄して整理せざるをえなくなるでしょう。
 温情からの発想は危険で不公平感を生み、管理組合の仕事ではありません。先のリースバックを紹介する方がよさそうです。
 管理組合は判断が難しい個々の金銭事情には、いっさい手を出さないことが賢明ですね。

 秋らしい絵画を並べました。

 「日本の橋」はモネの晩年、目が不自由になってから描かれました。
 同じ構図の多くの作品と比べて、鑑賞する側の心の奥深くへ強い印象と、遠い記憶を呼び覚ませてくれる気がします。
 松尾好朗
 

日本の橋
クロード・モネ 1918-24年



良いルールは自然発生する。

 マスクが日常になってしばらくの頃、ある地方の美術館を訪れました。
 私は特設展が目当てでしたが、常設展には地元の画家を中心にした絵画をはじめ、工芸品や甲冑武具等の展示もあり、美術館と歴史博物館を兼ねているようです。
 建物は地元出身の建築家が設計と紹介され、打ち放しコンクリートとステンレス、それに大きなガラスのデザインは、この辺りでは目立ちます。
 要望が多かったのか、外観には少し盛りすぎ感がありますが、肝心の展示スペースは導線がよく、集中して鑑賞ができました。

 エントランスドアの真上には庇も雨樋も無くて、強い雨の日は出入りに支障をきたすようで、地元工務店さんがそこだけに雨樋を後付けせざるを得なかったところに地方なりの苦労を見せられた気がします。
 後付け感が満載で、どうしてもそこに目が行ってしまいます。(笑)
 館内には、オープン時はきっとオシャレだっただろうと思えるカフェがあり、オバサマ店員にポットのお湯で堂々とモンカフェを淹れていただきました。(感染防止対策もあったと思います。)
 地方のセンスをからかっているわけではありません。独自の地方色を期待しますので、運営はソフトメンテナンスにも目を向けて、予算を付けてほしいと思いました。

ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント
東京都美術館

 しかしそのカフェには、平日のガランとした展示スペースに比べ、意外なほどの多くの人が、小グループに分かれアクリル板越しに談笑したり、一人でお茶をしている穏やかな風景がありました。

フィンセント・ファン・ゴッホ
《花咲くマロニエの木》1890年5月22–23日

 ほとんどの人が地元、近隣の高齢者です。常設展は入館無料ですので、 散歩のコースでしょうか、三々五々入れ替わりにやってきます。
 外来訪問者をすべてに優先、美術館に直結しているので大声で話さない騒がない、感染者が少ない地域ですが距離を取って座るという当たり前の制限ルールが自然発生して良く守られています。
 そこは、とても心地良い安心できる空間に感じました。
 マンションの居住者の高齢者対策(サービス)については、色々提案されていますが、この美術館のカフェが持つ空間はとても参考になります。
 
 

 お仕着せの娯楽等を嫌う高齢者は多いと感じています。しかし、孤独を恐れ、人恋しい、聞いて欲しい、かまって欲しい時もあるでしょう。その環境では、提供側が良かれと思っていることが、かえって相手にストレスを与えたり、マンネリ化していることもあると思います。
 マンションに集会室がある場合、開放した場合に何ができるのか、何が自然発生するのか探ってみたい気持ちがあります。
 一定の制限があるほうが、リラックスできるという理由を探るのも興味深いですね。

 上のポスターの通り、東京都美術館のゴッホ展は12/12までです。
 ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント
 Collecting Van Gogh: Helene Kröller-Müller’s Passion for Vincent’s Art
 ゴッホ展ですが、ゴッホだけではありませんよ。
 今回見逃すと後悔する作品がこちら2点です。

ジョルジュ・スーラ
《ポール=アン=ベッサンの日曜日》1888年
オディロン・ルドン
《キュクロプス》1914年頃

 スーラの作品は変色を恐れて海外貸し出しはめったにありませんので間近で鑑賞できるのは貴重です。
 もう一点ルドンの中で最も印象的な作品です。まさかこの目玉さんの方から日本にやってくるとは奇跡です。
 ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじや進撃の巨人に影響を与えたかどうかは知りません。
 一度見たらあなたの心に棲みついて、トラウマになるかもしれませんので、鑑賞する場合は自己責任でお願いします。(笑)
松尾好朗




 

見守るか、見ぬふりか

 駅チカのAマンションの管理員さんは勤続20年超えの元営業ウーマンです。おしゃれで外交的、子供が大好きです。
 このマンションで赤ちゃんが誕生し、成人式を迎えた人にとっては、お母さんのお腹にいるときから人生のすべての期間を管理室から見守ってくれている存在です。
 また、建物と共に高齢化し、独居となって暮らす居住者も多く、その人たちにとっては、昔の話題を共有できている話し相手で、お互いが顔を確認するだけで安心するという存在です。

 管理員さんは後期高齢者と呼ばれる年齢ですが、代わりになる人物を見つけるのは難しく、管理組合としてはできるだけ長く勤めて欲しいため、力の要る朝のゴミ出しを外注して、現在は管理室で受付、窓口業務を任せています。
 下階に店舗が入っているマンションなので見知らぬ人の出入りも多く、住居専用のようなオートロックシステムもありません。

 有人管理のマンションのメリットは、防犯上で狙われ難いというデータの通り、これまで大きな事件事故は繁華街の近くに関わらず起きていません。
 管理員さんが今後も継続できるように勤務日数の調整等、体力的に負担を少なくする方向を理事会で話し合い、本人の希望を確認することにしました。

 同規模のBマンションにも管理室はありますが、窓口はカーテンで閉じられています。
 経費節減の目的もあり、ゴミ出し曜日に合わせて管理会社から派遣された清掃管理員がマニュアルに則り作業をしています。
 勤務曜日が飛び石になる場合は、週3回といっても結局は一週間拘束されます。それだけでは募集しても応募がありませんので、ゴミ曜日が違う近くのマンションや、土日や夜間のビル清掃などと組合せて勤務時間を稼ぎ、一定の収入が確保できるようにしています。
 そのためいつも同じ人が同じ場所で勤務するとは限りません。
 時間に拘束されるため、自分の担当業務以外のことに気付きがあったとしても、見て見ぬふりという場合もあるかもしれません。
 清掃員と居住者とのコミュニケーションは、挨拶程度で希薄になります。

 A、Bマンションともに区分所有者の資産価値の維持向上が目的です。Bマンションは清掃管理を契約通りに実施していれば誰が行なってもよいのですが、Aマンションは管理員さんが長い経験を生かした管理が行われているので、心理的な部分(安心・信頼など)を含め、Bマンションとは居住性に大きな差ができていると思っています。

歌川広重 1857年
大はしあたけの夕立
「没後160年記念 歌川国芳」展

 私の経験上、清掃管理費用を削減したマンションでは、全体的な荒廃感(薄汚れていて清潔・清涼感が隅々に行き届かない)や、時に居住者が非協力的(奉仕性が生まれてこない環境)になり、粗大ゴミの放置やルール違反、法的点検の不参加等が目立つというスラム化の予兆を感じることがあります。

売っていた手ぬぐいです。

 マンションの建築や設備、法律や会計等については多くの情報があふれています。しかし、場合によっては中古マンションの購入の決め手になるかもしれない管理員さんの情報については皆無です。
 売買時の重要事項説明書でも管理員の勤務形態「日勤」と二文字だけなのは、一生の買い物をしようとする顧客に対してあまりに不親切です。
 業界が利益にならない取材や情報提供を怠っていることが残念です。

 Aマンションの理事会の終了後、太田記念美術館に立ち寄ってきました。
 マイナーな美術館なので空いていると思ったのですが、8/29日曜日で企画展の最終日ということからか、ゆっくりと無言で移動する動きながらも少し密でした。
 9/4から「没後160年記念 歌川国芳」展が始まりました。
 一足先に手ぬぐい等をお土産に求めました。柄は以前紹介した国芳の「金魚づくし」です。
 松尾好朗

『其まま地口猫飼好五十三疋』 歌川国芳






アマゾンDPから悪質をお届けします。

 今、現場で起きていること。
 宅配ボックスは生活様式の多様化の中で、マンション共用設備の必須アイテムとして定着しています。
 Aマンションでは、アマゾン配達員(DP=デリバリープロバイダー)が早朝から入り込み、受け取り側が在宅、留守に関わらず、搬入した荷物のすべてを宅配ボックスに放り込み、次の宅配ボックスのあるマンションへ急ぎます。
 居住者は、夜までに宅配ボックスに預けられた荷物を引き取りますので、朝は空いているボックスがほとんどです。
 配達側は朝の時間帯は持ち帰りロスがなくて効率が良いのですが、在宅していても宅配ボックスへ預けられてしまいます。
 ただ、早朝にピンポンと呼び出されても困りますけどね。


 午前9時を過ぎた頃には、クロネコや佐川等の宅配業者が動き出します。
 届け先が留守の場合、宅配ボックスへ預けようとすると、朝一の配送なのにすでに満杯ということが実際に起きています。

川瀬巴水『七里ガ浜』1928年

 感染防止による外出制限や在宅ワーク等の影響で、特別な注文ではなく通常の食材や日用品の配達や重量のある飲料、ペットフードやトイレ砂、更にお中元のシーズンとなり宅配ボックスの数不足が目立ちます。増設したくても、設置する場所がないということもありますね。

 宅配ボックスもオートロックもないマンションでは、配達員(一部)はマンション内のあちこちに台車をぶち当てながら泥靴で侵入、届け先が在宅していても玄関前に勝手に置配(オキハイ)やドアノブにぶら下げ等、手渡しはしません。
 注文者(受取側)もオキハイ希望が多いのも事実で、配達員がオートロックで中に入れずオキハイができないので、管理会社に訳のわからないクレーム電話をした配達員がいました。

エドマンド・タル『薄明かり』


 郵便小包の時代を経て宅急便・宅配便は新語として登場、運輸流通経済を支えてデジタル時代にも対応、自主ルールと関係人材の教育に費用をかけてきた業界は、いま明らかに乱されています。
 悪質な配達員は淘汰されるのでしょうが、アマゾンの組織が末端までコントロールできない状況なのか、勝ち逃げを図っているのか、そのまま放置するのか、以前ヤマト運輸がアマゾンの配送を請けていた時代とは大きく変わりました。


 高級と呼ばれているマンションにアマゾンDPやウーバーの類に見られる素人配達員を、ノーチェックで建物内へ侵入させている限り、セキュリティーやプライバシー上で一般マンションと差はありません。

 居住者の側から素人配達員を呼び込んでしまっているので、今のところ防ぐ方法はありませんが、居住者であまり宅配などを利用しない方が問題視するような時が来ると思います。
 

ウィリアム・アレン『子供たちの聖なる行進』
ハンプシャー文化トラスト

 不潔そうな身なりや挨拶もしない人物は館内には入れたくないと思いますね。
 最近では、ウーバー配達員が入り口と間違って常時(開)格納の防火扉を閉めてしまい、火災警報盤が鳴動、警備会社が出動したことがあります。

*世情のこと*
 「うちの子が練習していた文化祭コンサートは中止なのにオリンピックはやるのね」というようなフレーズが溢れています。
 本当にコンサートをやりたければ、ゲリラでもズームでも失敗しても実行する気概を持ってほしいと思います。オリンピックを並列させて語るのは、言い訳のように聞こえてしまいます。

 「おもてなし」をお題目にインバウンド需要を見込んで投資した多くの日本人は、ウィルス感染防止のため五輪が延期の上に無観客となることが現実になってしまいましたが、逆境の中で耐える工夫をし、様々なことを考え、意見を聞く機会を与えられたところをヨシとしたいです。

 本日、貼り付けした絵は「薄明りの絵画」様のセレクションから拝借しました。
 先日、小学生の列へと酒酔いトラックが突っ込んだ事故がありました。
 葬儀の列、後に続く子供たちは仲間が亡くなったことを理解できてるのでしょうか。素朴なタッチ故、涙を誘います。
 松尾好朗 

ジュゼッペ・ペリッツァ・ダ・ヴォルペード「亡くなった子供」
1902年頃、オルセー美術館

 

弱者に強気の臆病者

 ほとんどのマンションでは「共用部分には私物等を置かないこと」という禁止ルールが使用細則などで定められています。
 例えば、共用部分である通路にベービーカーなどを置いていると、災害時には避難の障害となり、何より歩く人の邪魔ですね。美観や見通しも悪くなり、私物を放置しているマンションの資産価値は下がります。
 定期清掃の作業中、(共用廊下に)積んである段ボールが濡れたとか自転車を移動されて壊れたとか、だから弁償しろとクレームを言う居住者がいますが、これは管理規約の禁止行為上での事故ですから理屈が成り立ちません。
 適当に許していると、間違いなく「他の家も置いてるじゃないか」と屁理屈をいいますので、普段から厳しくする意味はここにあります。
 

 万引きしたお菓子がマズかったとお店に文句をいうとか、恐喝をしたら相手に反撃されて暴力を受けたと訴えるようなものです。 

 数年前、共用廊下の床を機械洗浄中に、居住者が歩行中に足を滑らせスーツ(イタリア製?)が濡れたので、弁償しろという事故があり、清掃中の掲示(滑りやすいので足元注意)や前々週から作業予定であることの注意喚起を行っているので、裁判になれば完敗はしないと思いますが、その裁判関係費用との差引を考え、保険にも助けられたので相当額を支払うことを選びました。

竹久夢二 セノオ楽譜「心と花」
1926年大正15年)

 このような弱い立場の人を(弱みを握って)強気で執拗に追い詰める臆病な性格の持ち主(チンピラ)は人間に限らず、告げ口も得意な近隣の国でも見られますね、共通しているのは、自分より強い人や大国にはめっぽう弱いところです。(笑) 

竹久夢二 セノオ楽譜「蘭燈」1921年
(大正10年)

 ルールに厳しい管理組合でも、共用廊下のオキハイ(置配)の段ボール箱が目立つようになったのは、中国武漢で発生した新型ウィルスが日本へも感染拡大した以降、宅配便の利用者が増え、在宅でも配達員との接触を嫌い、飲み物などは玄関わきに置配されたまま必要量だけを取り出し、箱はそのまま放置している状況のためです。
 感染防止を優先、段ボール箱の放置は暗黙のルール無視、楽を覚えた居住者に対してルールを元通りに戻すのは容易ではありませんね。

 マンションの郵便受けにも氏名を表示しない人が多い中、館内には役員の氏名、号室などが掲示されています。
 オキハイされた各戸玄関わきの段ボール箱には受け取り人の氏名、電話番号、勤務先まで明記している人もいます。
 宅急便などプロの配達員は自主基準があり、”李下に冠を正さず”(李下不正冠)の通り館内で疑われそうな行為は絶対に行わないのですが、ウーバーイーツなどのフードデリバリーやアマゾンの配達等で素人の配達員をオートロックのマンションにホイホイ入れていることに疑問を抱かないのでしょうか?
 プライバシー情報がお金になる時代ですから気を付けて欲しいですね。 

川端龍子「草の実」 1931(昭和6)年 

 大田区立龍子記念館において「川端龍子の院展時代」というテーマで作品展が開催されています。
 私はこの「草の実」(1931昭和6年)が以前から好きな絵でしたが、院展時代は1928(昭和3)年までの作品ですので、今回は展示されていません。

龍子記念館の様子(大田区中央4-2-1)

川端龍子「阿吽」1918(大正7)年 

 龍子は西洋画家として渡米しましたが、相手にされず日本画家に転向します。このことが日本画一本の画家とは違って、自由な発想の画風を持つ日本画家として成長します。

 大正ロマンといわれた時代、画家として竹久夢二がいます。数点貼り付けます。

竹久夢二「APL・FOOL」 大正15年(1926)
夫人グラフ表紙

 欧州ではジャポニスムの影響を受けたアールヌーボー(1890-1910 エミール・ガレ、ミュシャ、クリムト、ロートレック、スタンランなど)の平面的で曲線が多い構成から、直線で立体的な構成のアールデコ(1920-1930タマラ・ド・レンピッカなど)に変化して行きます。その流れは、ランヴァン、ココ・シャネル、バカラ、そしてニューヨークの摩天楼のデザインなどに引き継がれていきます。

 中国の男性報道官が、福島原発処理水の海洋放出について自国の仕業には知らんぷりしながら、北斎の版画を揶揄しているイラストを嬉しそうに報道していましたが、中国14億人の報道官がこれでは情けないですね、党が望む仕事では優秀な人でしょうが、「人としてマズいっすよ」です。

 中国は古代の貴重な壁画に、安っぽくケバい色で似ても似つかない「オリジナルの修復」をやらかして平気な国なので、残念ながら一党独裁体制での芸術文化水準は「修復不可能」かもしれません。
松尾好朗



「チラシお断り」は通用するのか?

 住宅街に建つ中規模のAマンションの話です。エントランス集合郵便受けの脇には、「チラシ投函厳禁、見つけ次第警察に通報します。」というパネルがデカデカと掲示され、美観を損ねていて残念です。
 このパネルの通りに「あのぅ、マンションでチラシを投函している人がいるんですけど・・」と110番通報したところで、チラシ投函は犯罪ではありませんので、不法侵入でもしない限り警察は相手にしないでしょう。

 管理組合がチラシ投函禁止というなら、それはマンション内だけに通じるローカルルールなので、警察ではなく組合の誰かが四六時中見張ってないといけないことですね。
 管理規約や使用細則で定めることができるのは、共用部分の管理と使用の範囲なので、もしチラシ禁止ルールを総会で決議しても無効になるどころか、居住者からは(印刷物などで)情報を受ける権利を管理組合が阻害したので、損害賠償請求するとでも言われかねません。

スタンラン ≪ Chocolat de la Compagnie Francaise ≫ 1896-1900
アレクサンドル・スタンラン Alexandre Steinlen [ヴァンジャンヌ殺菌牛乳]

 高齢の居住者が「チラシは迷惑だから入れさせるな」と管理員へ文句を言うことがよくありますが、それは多くのチラシが自分にとっては不要な内容(例えば、エステやネイル、フィットネスやスポーツジム、ピザやフードデリバリーのメニュー、不動産や英会話など)であるのが腹立たしく、自分が理解できない不満や疎外感、面白くない感情を立場が下の管理員へぶつけているだけでしょう。

 その人に関係がある内容(例えば、クリーニング店のクーポンや最寄りスーパーの特売、趣味サークルや知人の短歌の掲載誌、知人の選挙ビラ、広告ティッシュなど)であれば受け取っていると思います。チラシのすべてが迷惑で要らない訳でなく、ただのわがままでしょう。
 管理員が不在の時間帯のチラシ投函は防ぐことはできません。区報は配付しても、チラシがダメなら同封されるチラシ(商店街がスポンサー)を区報の束から抜き取るというのはありえませんね。

 新聞を購読してない家庭にも、購読者と同じチラシの束が入りますが、もしこれも禁止するなら、この社会で通常に情報を受けることができる人の権利を無視することになるでしょう。なお、束になっているチラシはポスティング業者が数件分まとめたものをリスト通りに投函していますので、あて先名と包装がないだけで郵便や宅配と変わりません。
 つまり、チラシ投函禁止ルールは個人の問題であり、管理組合が禁止することは合法になり得ないと思います。
 インターネット環境が身近ではない人(または遠ざけている人)にとっては、活字や写真(印刷物)の媒体が見やすく便利で安心な場合もあるでしょう。そこまで奪う権限は組合にはありません。

≪La Chat noir ≫1896 スタンラン『ルドルフ・サリスの「ル・シャ・ノワール」の巡業)』 

スタンラン ≪ Motocycles Comiot ≫ 1896-1900

 マンション管理会社ではチラシ厳禁を掲げながら、自社や協力会社の専有部分のリフォーム、ハウスクリーニング、不動産仲介、個別保険、給湯器など多くの案内広告をしれっと管理員に投函させているところが笑えます。

 その昔、郵便受けに毎日のように入っていたピンクビラに悩まされた経験のある世代は、「チラシやビラ」=「教育上イケナイもの」という公式が頭のどこかにあって、自分に関係のないものには排除癖があるようですね。

 不要チラシ対策は、投函元の会社に「着払いで送り返す。」という脅し文句を投函口に掲示するというアイデアが以前に紹介されていましたが、実行するには送り主個人の名前と電話番号をさらすリスクがあります。
 管理員へ送付を依頼された場合は「個人名でどうぞ」とはっきり断りましょう。
 唯一、個別の投函口に「チラシ不要」などと意思表示しておけば、トラブルになった場合の対抗策にはなります。
 ただし、集合郵便受けが見た目雑然としてしまい美しいものではありません。

 本日、挿絵に使わせていただいたのは、商業絵画の代表格でモンマルトルを根城にして活躍したスタンランのポスターです。猫好きです。
 パリが好きな人はおなじみのポスターですね、可愛さがあるこれらのほかに名前を隠して政治風刺画や労働者層をテーマにしたものも多く描いています。
 パリの下層民の哀愁、哀歌を感じさせるものです。
松尾


子供椅子からの卒業

 このマンションで生まれたAさんの息子は元気に育ち、これまで5年間毎日使い続けて、ちょっと窮屈になった子供椅子にお別れをすることにしました。成長に合わせて座面の高さを調整できる子供椅子です。
 区の粗大ごみ受付センターの手続きも終え、マンション内の指定場所に置いたところ、管理室へ「あの子供用の椅子をいただきたいのですが」と子供を抱いたBさんから依頼があり、Aさんに了解いただきリユースが成立、その椅子はめでたく2番目の主人を持てることになりました。

劒山の朝1926(大正15)年
エルキャピタン1925(大正14)年
ジュマ マシッド1931(昭和6)年

 5年間使用してシートが古くなっているものの、木部は良品です。
 Aさんは、子供の成長を支えてくれた椅子だからと、ピカピカに磨いてから出されたことで、Bさんは、これなら大丈夫と椅子から何か感じたものがあったのだと思います。
 家具であってもゴミとして捨てたことで所有権はなくなりますが、粗大ごみシールが貼ってあれば管理下にあると解釈できるので、勝手に持ち去るのは犯罪でしょう。
 黙って持ち去る人や、区の回収より早く回収する業者(売れそうなモノだけ)が多い中で、ちょっといい話だったので書き留めました。
 AさんBさん共に若いママです。捨ててしまうモノでも感謝を込めて見送ることが出来るAさんの澄んだ心、そのモノの価値を見極めて受け入れられるBさんの感性を見習いたいですね。

 本日紹介したいのは吉田博(1876-1950)という人の版画です。没後70年の展覧会を観に行ってきました。(東京都美術館:2021/3/28迄)
 西洋画家、版画家ですが、次男を穂高と命名するほど山が好きで、登山家でもあります。山岳画家と呼ばれる彼の構図は、おきまりの山の構図とは大きく異なります。

亀戸 1927(昭和2)年
神楽坂通り 夜の雨後1929(昭和4)年

 その昔、テントだけでも重かったでしょうが、その上画材も持ち歩いています。このような姿で登っていたようです。そんな彼が自ら体得した者にしか分からない自然観と版画とは思えない繊細な描写は、誰も真似ができない境地に達しています。
 同時代の黒田清輝ら官費でのフランス留学組(油絵・洋画)に対抗して、自費でアメリカへ渡っています。そこでは粗悪で下品な日本の浮世絵が流通していました。
 その経験から彼は後半生、日本の版画の質を向上することに全力を注ぎます。


 彼が他の画家・版画家と違うところは卓越した技量はもちろんですが、海外の人々が想像、そして期待する日本らしさ、いわゆる外国人受けする題材を決して質を落とさずに大量に摺って、商売として版画の販売をやってのけているところです。
 また、四季の移ろい、一日の時間変化、お天気模様を同じ版木を使って色や版木の枚数の変化で表現することに抵抗がありませんでした。これは、同じものを一定枚数摺ったら版木を燃やす場合がありますので、邪道といわれることがあります。
 桜と五重塔に和服の娘、富士山と松など、期待通りの日本らしさで買って帰りたくなるような上質な版画を摺り、その資金で多くの貧乏画家に活力を与え、戦後の芸術復興に尽くしました。 

 ダイアナ妃の執務室の壁には2枚、吉田博の版画が存在感を示していました。
 作品のコレクターには、フロイト、マッカーサー元帥、ノラジョーンズがいます。

猿沢池
光る海

 吉田博、伊藤若冲等、日本のアカデミックな視点から外れ、主流から認められなかったアーチストが、海外に認められてから逆輸入され、注目されるところが美術界に限らず日本的です。
松尾

ルーフバルコニーの柵の外周管理

 マンション標準管理規約第14条(バルコニー等の専用使用権)及び別表4共用部分の範囲で、バルコニー等の位置、専用使用権者が記載されています。
 標準管理規約第21条(敷地及び共用部分の管理)第1項では、「バルコニー等の保存行為のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。」とあります。

 一般的なバルコニーの排水溝は柵(手すり壁・腰壁)の内側にありますので、専用使用権者が通常の使用に伴う保存行為(雨水等が流れるように排水溝の掃除等)を行うことが可能ですが、ルーフバルコニーでは、手すり柵の外側に排水溝があり、専用使用権者が柵の外に出て通常の管理を行うことが難しい(危険、出入不能等)場合でも、排水溝にゴミを詰まらせたことが原因で事故等が起きれば、その区分所有者が責任を負うことになります。
 管理会社との委託契約書の仕様書にルーフバルコニーの管理が含まれいても、目視ができない場所で、管理には専有部内と通らないとルーフバルコニーに出られない構造である場合では、在宅していただかないと点検清掃ができません。管理会社は事故があった場合にトラブルを避けるためには、直近の点検時に在宅要請にもかかわらず不在であった場合は責任を負わない旨の契約条項を含めることが必要だと思います。
 仕様にない場合や自主管理の場合等でも、事故発生の責任所在を明記してトラブルを避け、総会などで説明して理解していただくことが重要と思います。


 尚、標準管理規約に「屋上テラス」という記載もありますが、テラスはテラ(土、地球)の意味から1階の床部分(デッキやタイル等で仕上)を指すものだと思います。屋上は床をどう加工しても「屋上」です。
松尾