最近よく聞くリバースモーゲージやリースバック、あの手この手で人の財産を巻き上げようとしてきます。クレジットカードも、毎度毎度リボ払いを勧めてきて、人を借金漬けにしようとしてきます。横文字に置き換えても、高利貸しと変わりがありませんね。(笑)

クロード・モネ 1891年の秋
リバースモーゲージは、自宅を担保にお金を借り、返済期間中は利息分のみの返済という自宅担保型のローンです。土地の価値を重要視するため、超一等地等は例外ですが、区分所有のマンションにはなじまないローンです。
契約者が返済途中で死亡すると、その相続人は基本的には自宅に住み続けることはできないため家を明け渡さなければならないというデメリットがあります。
リースバックは、自宅を業者へ売却した後、賃借人として同じ家に住み続けられるというメリットがありますが、デメリットは相場より低い金額で売り渡し、相場より高い賃料で借りるように追い込まれてしまうこと、数年後には家賃値上げを受け入れざるを得ないことや、期限付き契約では途中で退去し住まいを失うことがあります。
戸建ての場合は近所の人に知られないように売却して住み続けられますが、マンションでは区分所有者変更になれば、管理者は理事会や総会で(多くの場合は管理会社が代わりに)報告する義務がありますので、売却したことを隠すことはできません。
業者は「ご相談」と称して足元を見てきますので、世間体を気にせずに他の方法を選ぶべきでしょう。

フィンセント・ファン・ゴッホ 1888年
最近、ある管理組合で修繕積立金減免制度といって、これまた怪しい話を聞きました。
高齢化社会の中、マンション居住者の高齢化が目立ち、同じく建物も高齢化(老朽化)が進みます。
建物の日常的な保守管理、定期的な大規模修繕工事、さらにはその時代に見合った設備機器への更新や法改正に対応したリニューアル等を適時適切に実施しなければ資産価値の低下を招き、安全な暮らしを維持できなくなります。
それらを放置するとスラム化を招きますので、長期修繕計画に応じて修繕積立金の各戸負担額が値上となるのはやむを得ません。
とまぁ、ここまではよく聞く話ですね。
区分所有者の中には値上げに耐えられず、又、他の様々な事情で管理費・修繕積立金等を滞納する人が現れます。
滞納(未収)金は払うことができなければ、最終的にそのマンション区分所有権を売却(任売、競売)してその精算に充てることになります。

1877年 ジャコブ・カミーユ・ピサロ
この減免制度は管理組合が、そういう事情で支払いができなくなったり、収入のない高齢の区分所有者に対して、修繕積立金の各戸負担を減免(免除)するという制度のようです。
その範囲は、値上げされた差額分だけの減免や、その家庭事情に合わせた期限付きの免除等が考えられますが、制度を承認するには管理規約の変更追加が必要になりますので、明確に明文化する必要があります。
減免といっても会計科目は「未収金2」とでもするのでしょうか、未収金は管理組合の貸付ではないので、遅延損害金や保証人の有無、覚書の精査、そして時効を援用されないような方法を取っておかなければなりません。
いずれにしても管理組合の会計に影響のない十分な体力(剰余資金、積立金等)を持っていなければ、将来に亘っても実行できる制度ではありません。
大規模修繕工事で費用を借入をするような管理組合では成り立ちませんね。

クロード・モネ 1873年
理事長は、同じマンションの仲間に「払えないなら部屋売って出ていけ」とは言えないので、温情からこの救済制度を考えたようです。
将来その区分所有者が亡くなったときに相続人が精算、又は売却して精算となりますが、この超高齢化社会の中で免除期間が20年以上にもなれば、減免した金額も高額になります。毎月の管理も手間がかかりますね。
例えば、築古ワンルームの高齢者が減免制度を利用し、長命で亡くなられたケースでは、その間も建物もさらに古くなり資産価値も下がります。
販売価格に免除額が上乗せされるので、古くて高いマンションは売れることなく、その期間も毎月の管理費等の全額が積み上がります。
当然のように相続放棄され、競売でも債務付きマンションには買手が現れず、結局管理組合は減免した分の債権放棄して整理せざるをえなくなるでしょう。
温情からの発想は危険で不公平感を生み、管理組合の仕事ではありません。先のリースバックを紹介する方がよさそうです。
管理組合は判断が難しい個々の金銭事情には、いっさい手を出さないことが賢明ですね。
秋らしい絵画を並べました。
「日本の橋」はモネの晩年、目が不自由になってから描かれました。
同じ構図の多くの作品と比べて、鑑賞する側の心の奥深くへ強い印象と、遠い記憶を呼び覚ませてくれる気がします。
松尾好朗

クロード・モネ 1918-24年





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